県内では昨年、水難事故が77件発生し、過去10年間で最多となった。今年も5月末までに27件起きており、昨年の同じ時期を上回っている。事故が多発する夏休みに入り、専門家はライフジャケットの着用や、「溺れた場合は浮いて待って」と呼びかけている。(森安徹)
過去10年で最多の事故件数
県警などによると、県内の水難事故はコロナ禍の2020年に38件まで減った後、増加傾向にある。昨年は前年から14件増え、死者は21人から40人とほぼ倍増した。件数と死者数ともに、東京、沖縄に次いで全国3番目に多く、行方不明者も1人いた。
発生場所別では、海(42件)と河川(22件)で8割以上を占めた。事故に遭った84人のうち、年齢別では60歳以上が半数の42人(前年比15人増)。20歳未満も13人いた。
今年も増加傾向、夏休みに警戒
近年の水難事故増加について、県警地域企画課の担当者は「要因は不明だが、厳しい暑さで海や川に入る人が増えたのではないか」と推し量る。
今年も5月末までに前年の同じ時期に比べて7件増の27件発生。7人増えて15人が命を落としている。丹波篠山市では5月、川で遊んでいた男子高校生(16)が亡くなった。
7~8月は、県内36か所で海水浴場が開設される。昨年より海水浴客が増えると想定するビーチもあり、須磨(神戸市)、大蔵海岸(明石市)、竹野浜(豊岡市)では10万人以上が見込まれている。
夏休みシーズンには事故が増える傾向にあり、昨年7~8月には25件が起きた。海水浴場でも、洲本市で泳いでいた女性(当時69歳)と、神戸市垂水区でシュノーケリングをしていた男性(当時78歳)が、それぞれ亡くなった。
水難事故を防ぐには
一般社団法人「水難学会」の斎藤秀俊理事(長岡技術科学大教授)は「夏のレジャーでの水難事故は、到着してすぐに起きることが多い」と分析する。
深さを確認せず水に入ったり飛び込んだりするためだといい、「特に子どもは急に入ってしまいがち。現地に着く前からライフジャケットを着せておけば、セーフティーネットになる」と話す。
もし溺れてしまったら、力を抜いて水面に仰向けで浮く「背浮き」で救助を待つことが最善策。遊ぶ前に足が着く場所で練習しておくことが重要で、「万が一の時は同行者が『浮いて待て』と声をかけることが望ましい」とする。



