国土交通省関東運輸局は2日にも、海上運送法に基づき、東海汽船(東京)に対し、大型船とジェットフォイルの計3隻の使用停止命令を出す方針を固めた。関係者への取材でわかった。同社では酒気帯び状態での勤務など複数の法令違反が確認されている。
同社は9日から20日間、3隻が使えなくなる。航路は他社の代替輸送で維持されるとみられる。
新設された行政処分、適用は初めて
この命令は、北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が死亡・行方不明となった事故を受けて、罰則を強化するために新たに設けられた行政処分。適用されるのは東海汽船が初となる。
関東運輸局が今年に入って実施した臨時監査で問題が発覚。元日に船長らが飲酒しながら勤務したり、アルコール検査の替え玉受検をしたりするなど、安全に関するルールから逸脱し、法令違反にあたる事例が13件あったと認定していた。
改善計画提出で処分軽減
関東運輸局は当初、事業停止命令などの処分案を東海汽船に通知。これに対し同社は、違反への「改善計画」を国に提出していた。海上運送法では、離島航路の事業者に限り、改善計画が提出された場合、実効性などを踏まえて、処分を事業停止命令から船の使用停止命令に軽減できる。
関東運輸局は使用停止命令に先立ち、海上運送法などに基づき、輸送の安全確保と、安全統括管理者・運航管理者の解任を命じるなどの行政処分をすでに出している。