栃木県鹿沼市の東武日光線新鹿沼駅で20日午前、除草作業をしていた男性作業員4人が特急列車と接触し、全員が死亡する事故が発生した。現場には列車の接近を作業員に知らせる見張り員2人が配置されていたが、事故を防げなかった。
事故の状況と見張り員の対応
事故は、駅構内に進入してきた特急「スペーシアX2号」が、噴霧器で除草剤をまいていた50~60歳代の作業員4人と衝突した。乗客約50人にけがはなかった。
見張り員2人のうち、手前80メートルの地点にいた1人は、旗を掲げて列車の運転士に作業員の退避が完了したとする合図を送っていた。これを受け、運転士は警笛を鳴らして駅構内に進入したと話している。
原因究明と再発防止の課題
なぜ4人が退避できていなかったのか、情報伝達のミスや作業員へのアクシデントがあったのか、栃木県警や国の運輸安全委員会、東武鉄道による徹底した原因究明が求められる。
東武鉄道は、見張り員を配置し、作業員が確実に退避できる場合は列車が走る昼間でも作業ができる規定を設けている。退避行動を定めたマニュアルに不備がなかったか再点検が必要だ。全国の鉄道事業者も自社の安全管理に死角がないか確認が求められる。
過去の事故とデジタル技術の活用
線路の保守管理中の事故は過去にも繰り返し起きている。1999年には東京・品川のJR貨物線で作業員5人が臨時の回送列車にはねられて死亡し、2006年には鳥取県のJR線で保線区員3人が特急と衝突して亡くなった。
事故のリスクを減らすため、列車の位置情報がわかる端末を見張り員に持たせている鉄道会社や、列車接近時にヘルメットの装置を自動で鳴動させて退避を促すシステムも開発されている。目視や旗振りなど人の手による対策には限界があり、ヒューマンエラーを防ぐデジタル技術の導入が重要だ。
また、特急が往来する真夏の昼間に線路の除草作業をすることが妥当だったのか、再発防止策の検討では根本的な観点からの見直しも重要となる。



