埼玉・加須市で鷹匠がムクドリ追い払い、タカで危険と学習させる
埼玉・加須市で鷹匠がタカ使いムクドリ追い払い

埼玉県加須市では、野生のムクドリによるフンや大きな鳴き声などの被害が深刻化しており、市は8日夜、鷹匠(たかじょう)の協力を得てタカを使った追い払いを実施した。この取り組みは、ムクドリに「危険な場所」という意識を植え付けることで、長期的な被害軽減を狙うものだ。

タカによる追い払いの実際

同日午後8時ごろ、同市元町の病院屋上で、市から依頼を受けた鷹匠の江頭千景さん(29)がタカを放った。タカが羽ばたくとほぼ同時に、近くの竹林や電線に止まっていた数百羽のムクドリが一斉に大きな鳴き声を上げて逃げ出した。江頭さんによると、ムクドリは天敵である大型の鳥を本能的に恐れ、夜間は人通りの多い市街地の樹木で集団で眠る習性がある。タカを飛ばすことで、ムクドリに「この場所は危険だ」と学習させ、継続的に追い払う効果が期待できるという。

加須市には毎年、ムクドリの鳴き声やフンに関する住民からの苦情が寄せられており、市は昨年からタカによる対策を開始した。江頭さんは「回数を重ねるごとにムクドリの数は確実に減っている」と手応えを語る。タカはムクドリを捕食するわけではなく、あくまで追い払う役割を担っており、生態系への影響も最小限に抑えられている。

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各地で試みられる対策、決定打なく

ムクドリによる被害は全国的な課題で、多くの自治体が対策に苦慮している。千葉県市川市では2022年から、駅周辺で高速点滅する特殊なLEDライトを使った追い払いを継続。業者からレンタルした装置でねぐらの樹木に光を照射すると、ムクドリは一時的に逃げ出すが、時間が経過すると再び戻ってくるという効果の限界が指摘されている。

神奈川県藤沢市では、隠れ場所を減らすため街路樹の枝葉の剪定や、ムクドリが嫌う薬剤を塗布する対策を実施。しかし、これらの手法も効果は一時的で、同市道路維持課の担当者は「現時点では抜本的な決定打は見つかっていない」と認める。いずれの自治体も、継続的な対策と新たな手法の模索を続けている。

鷹匠の知恵がもたらす効果

加須市の取り組みは、伝統的な鷹匠の技術を現代の鳥害対策に応用した点で注目される。タカによる追い払いは、ムクドリに恐怖を植え付けることで長期的な効果が期待でき、他の自治体からも関心が寄せられている。江頭さんは「タカがいることでムクドリが定着しにくくなる。継続が鍵だ」と強調し、今後も定期的な追い払いを計画している。加須市は、この手法が他の地域でも応用可能か、検討を進める方針だ。

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