秋の全国交通安全運動期間(2026年9月21〜30日)を前に、9月20日、福井県おおい町の若狭湾沿岸にある「道の駅 うみんぴあ大飯」で、福井県警・京都府警共催による交通安全啓発イベントが実施された。
シルバーウイーク中の来場者でにぎわう中、福井県警小浜警察署と京都府警舞鶴警察署の署員や両地域の交通安全協会員・交通安全活動推進員、おおい町役場、そして福井県警との包括連携協定に基づきイベントに協力する三井住友海上火災保険の社員ら計45人が、道の駅を訪れる人たちにチラシと記念品(伝統和柄の反射材付きキーホルダー)を配布しながら交通安全を呼びかけた。
地域の交通課題解決に警察・民間の力を合わせて取り組む
イベントが開かれた道の駅 うみんぴあ大飯。福井県警と京都府警の連携による交通安全啓発イベントは2022年から実施されており、2026年は春の交通安全運動期間に続いて2回目となる。
イベントは20日午前11時から約1時間、道の駅うみんぴあの入り口付近で開催された。イベントに先駆けた開会式で、小浜警察署の山田芳弘署長が「舞鶴と若狭は国道27号でつながっています。私自身が若狭出身で、以前から舞鶴もよく訪れていますし、多くの観光客も27号を利用しています。今年は27号で死亡事故が発生し、事故防止対策が課題となっている中で、今回は交通安全に向け一人ひとりの考え方を変える大切な機会です」と挨拶を行った。
イベントでは山田署長自身も署員や他の参加者に交じってチラシ・記念品を来場者に配布。その後、取材に応じた。まず、若狭・舞鶴地域の環境について「両地域はいずれも郷土愛が強く、交通事故をなくそうとみなさん積極的に協力してくれます」としたうえで「こういった場で家族連れやドライバーの方々に交通安全を直接アピールでき、反応のよさを感じています」と語った。
若狭地域の交通課題と県外車対策
署長の挨拶にもあったように、2026年はこの若狭と舞鶴をつなぐ大動脈・国道27号で死亡事故が起きたことから、交通事故をなくそうという地元の想いをひしひしと感じながらのイベントになったようだ。
若狭地域の交通課題として、山田署長は次のように話した。
「関西を中心に県外から観光やツーリングに訪れる方がとても多く、実際に今年4月には、京都府からツーリングにきた20歳の大学生が国道162号でバイク事故で亡くなっていることもあり、県外車対策が課題になっています。道の駅は県外から来られる方が多いので、とりわけ幹線道路を使う方への呼びかけには大きな意味があると考えています」(山田署長)
今回は三井住友海上も初めて参加してのイベントとなった。同社が参加する意義について山田署長は「地域の方たちとつながりのある民間企業、しかも大手企業に参加していただくのは心強く、今後もネットワークを通じて交通安全の意識を広めてほしいと思います」と語った。
同署交通課長の大礒孝稚警部は地域の交通課題について、署長が話した県外車の問題に加えて「高齢者の事故が多く、今年もシニアカーに乗った高齢者が追突され、亡くなった事故が発生しています」と話し、配布したチラシを掲げながら「秋の交通安全運動でも重点的に呼びかけたいのが、横断歩道での歩行者優先です。信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者の通行を妨げると、『横断歩行者等妨害等違反』に当たります。普通車の場合、違反点数は2点、反則金は9,000円です」と、横断歩道での歩行者優先を呼びかけた。
イベントでチラシ・記念品を配布した若狭地域交通安全活動推進委員協議会副会長で推進員の石塚定夫さんは、日頃から地域の主要交差点に立ち、小学生などに対して交通指導を行っている。石塚さんも地域で高齢者の事故が多いことを感じており、「こうした周知イベントの開催には大きな意義があります」と語った。
福井県内の交通安全推進に三井住友海上も協力
若狭・舞鶴地域連携の交通安全イベントに今回初めて参加した三井住友海上 北陸損害サポート部 福井保険金お支払センターの北出順一さんは、同社が参加した経緯をこう話す。
「当社では福井県内で交通事故削減に向けた街頭啓発活動をこれまでも行ってきましたが、どうしても(県庁所在地の)福井市内を中心とした活動が多くなり、県内全域に十分に声を届けられていないことが課題でした。そうした中、6月に福井県警と包括連携協定を締結し、県警本部及び県内11警察署との連携を深められたところで今回の活動に参加させていただき、福井県内はもちろん近隣府県からも多くの方が訪れる場所で交通事故防止に向けた注意喚起を行うことができました」(北出さん)
白バイやパトカーも展示され、子どもたちが楽しそうにまたがったり、写真を撮ったりしていた。署長自らチラシや記念品を手渡す場面も見られた。
チラシや記念品を来場者に手渡した京都支店 京都北支社の廣田裕香子さんは「保険会社は事故が起きた後のお客様と接することがほとんどですが、今回、事故そのものを減らす活動に参加でき、警察や地域の方と一緒にドライバーへ直接、安全運転を呼びかけられたのはとても貴重な機会でした」と振り返る。関西損害サポート第二部 北近畿保険金お支払センター 所長代理の山田真紀さんも「たくさんの方に来ていただき、お子さんにもお声がけできたので、大変有意義な時間でした」と感想を話してくれた。
同社は今後も福井県内全域にわたって交通安全の呼びかけを届けていく考えで、府県境を越えた連携の輪もさらに広げ、将来的には会社全体で全国に向け交通安全の大切さを発信していきたいと北出さん。併せて「業界の未来を切り開くリーディングカンパニーとして、交通安全をはじめとした地域課題の解決にしっかり向き合っていきたいと思っています」と力強く語った。
その後、23日には福井県警・滋賀県警共催により福井県若狭町の「道の駅 若狭熊川宿」、26日には福井県警・京都府警共催によりおおい町の「道の駅 名田庄」及び京都府南丹市の「道の駅 美山ふれあい広場」で同様のイベントが開催された。三井住友海上はそのすべてに参加した。
イベント後、閉会式で挨拶に立った舞鶴警察署の枡田栄次署長は「秋の全国交通安全運動に合わせて福井県と京都府の府県境をまたぎ、みなさんと一緒に交通安全を呼びかけることは非常に意義深く、警察としても交通事故を一件でも減らすためにがんばっていきます」と語った。
警察、地域、そして三井住友海上のように強固なネットワークを有する民間企業が連携した交通安全推進の動きに、これからも注目したい。