大阪・関西万博の会場などで使用され、事故や不具合により全190台が使用中止となった電気自動車(EV)バスを巡り、大阪メトロが購入の経緯を調査・検証した報告書の概要が16日、関係者への取材で明らかになった。報告書は「安全リスクに対する認識が不十分だった」と指摘し、購入当時の社長だった河井英明会長ら幹部3人が辞任・降任する運びとなった。大阪メトロは近く報告書を公表する予定だ。
報告書の主な指摘
報告書では、バスを「EVモーターズ・ジャパン」(EVMJ、北九州市)から購入した点について、「実績の乏しいメーカーから調達することには一層の慎重さが求められたが、リスクを十分に検証した経過は確認できなかった」と指摘。不適切さを認める内容となっている。一方で、「政治的な圧力やEVMJからの接待の事実は認められなかった」とも言及しているという。
経営責任と幹部人事
大阪メトロは2026年3月期の決算で、バス190台分の関連損失として67億円を計上している。経営責任を取る形で、河井会長は会長を辞任し相談役に、交通事業本部長の堀元治常務は取締役・同本部副部長に降任。交通事業担当の豆谷美津二取締役は辞任する。3人から辞任・降任の申し出があり、16日の取締役会で決議されたという。
購入から使用中止までの経緯
大阪メトロは2022~24年度にかけて、EVMJからEVバスを計190台購入。しかし、万博会場での運行中にバッテリー発熱やブレーキ不具合などのトラブルが相次ぎ、2025年には全車両の使用を中止。一部は「EVバスの墓場」と称される大阪市内の保管場所に留置され、負の遺産として問題視されていた。大阪メトロは2026年7月をめどに検証結果を公表する方針を示していた。
今後の対応
大阪メトロの新社長は「7月めどに検証結果を公表する」と述べており、今回の報告書公表により一連の経緯に区切りをつける見通し。一方、使用断念したEVバスの処分方法や代替バスの調達については、今後の課題として残る。



