元看護助手、高齢患者に熱湯や加熱パッドで傷害 4回起訴「反応が面白かった」
元看護助手、高齢患者に熱湯傷害 4回起訴「反応面白い」

大阪市生野区の「優心会厚生病院」で2024年から2025年にかけて、認知機能が低下した複数の高齢入院患者に対し暴行を繰り返したとして、元看護助手の男(23歳)が傷害と暴行の両容疑で逮捕・起訴されていたことが明らかになった。他の職員も暴行に加わり、その様子を動画撮影して共有していたという。大阪府警は男が常習的に虐待していたとみて捜査している。

熱湯や加熱パッドでやけどを負わせる

起訴状や捜査関係者によると、男は看護助手として勤務していた2024年3月と2025年3月、病院内で70歳代の女性患者の右手小指を計量カップに入れた熱湯につけたり、加熱したパッドに左手のひらを押しつけたりし、それぞれ全治2週間のやけどを負わせたとして傷害罪に問われている。

2025年4月には同僚の職員と共謀し、別の70歳代女性患者の足や腹を蹴り、お茶の入ったコップを顔に投げつけたとされる。別の日には腹を棒状のもので突き、頭を数回たたいたほか、2025年5月には90歳代の男性患者の頭に段ボール箱をかぶせて数回たたき、押して転倒させたとして、いずれも暴行罪に問われている。

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被告は起訴事実を認め、公判中

被告は2025年12月に大阪府警生野署に傷害容疑で逮捕され、2026年1月から5月にかけて計4回起訴された。現在公判中で、起訴事実を認めている。

検察側は冒頭陳述で、被告は2023年7月頃から同病院で勤務し、同僚とともに入院患者に暴力をふるい、患者が怒る様子を面白がって撮影・共有していたと指摘。「同僚に指示し、暴行を加えさせた。以前に勤務していた病院でも、入院患者をたたくなどの暴力行為を繰り返していた」とした。

被告は被告人質問で、過去に勤務していた病院では患者にアルコールを吹き付け、病院側に注意されて辞めたと説明。今回の事件の動機については「患者の反応を見て面白かった。家庭と仕事のストレスがあった」と述べた。繰り返した理由については「周り(の同僚)と面白がり、日常になっていた。歯止めが利かない状況になっていた」と語った。

検察は懲役2年を求刑、弁護側は執行猶予求める

検察側は2026年6月18日の公判で、「被告は本来、認知機能の衰えた被害者をいかなる危険からも守り、看護すべき立場にありながら、抵抗も助けを求めることもできない点につけ込んで、一方的に暴力を加えており、悪質」として、懲役2年を求刑した。

弁護側は最終弁論で、「被害者らに謝罪文を作成し、真摯に反省している」として、執行猶予付きの判決を求めた。判決は2026年7月14日に言い渡される予定。

病院側の管理体制に課題

捜査関係者によると、病院関係者が2025年4月、「職員が患者を虐待しているのでは」と府警に通報した。同僚の男については、暴行罪で懲役1年、執行猶予3年の1審判決が確定している。

優心会厚生病院の関係者は読売新聞の取材に応じ、被告について「病院として、きちんと指導できていなかった」と語った。同病院は40床で、内科とリハビリテーション科がある。関係者によると、入院患者の7割以上が認知症や終末期の患者だという。

読売新聞が入手した病院側の資料では「看護の人員に余裕がなく、業務管理に課題があった」と記されていた。関係者は「人の入れ替わりが激しく、規律もなかった」と語った。

事件後、院長や事務長らの病院幹部は交代し、新たに外部から雇用。患者対応に関する院内マニュアルを見直し、職員への徹底を図っているという。同病院の現在の男性事務長は取材に「当時の状況はよくわからないが、被害に遭われた患者には申し訳ない。再発防止のため、今後、院内にカメラを設置し、職員の動きを注視していく」と話した。

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法人登記によると、同病院を運営する医療法人優心会(大阪市東成区)は、前身の法人が1999年に設立され、2012年に現在の名称に変更。現在、大阪府内で診療所も経営している。