防災の日、都内各地で訓練 真夏の避難備え確認
防災の日、都内各地で訓練 真夏の避難備え確認

「防災の日」の1日、都内では大地震を想定した訓練や啓発活動が行われた。今夏は、7月の熊本地震で真夏の避難生活に備える大切さが浮き彫りになった。先月には首都圏で最大震度5弱の地震も起きており、参加者らは避難の手順や必要な備えについて学んだ。

高い気温想定、豊島区で図上訓練

豊島区は1日、最大震度6強の地震を想定した図上訓練を区役所で行い、職員約330人が参加した。

熊本地震では、被災地が連日猛暑に見舞われ、車中泊をしていた70歳代女性が熱中症の疑いで死亡する事態も起きた。区は今回、想定気温を例年の訓練より高い34度に設定。一部の避難所が停電し、エアコンが使えなくなったという条件の下、職員らは別の避難所を選定したり、帰宅困難者に一時滞在施設を案内したりする手順を確認した。

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また、熊本地震の被災自治体の首長が動画で市民にメッセージを発信したことを踏まえ、高際みゆき区長が安全確保を呼びかける動画の収録訓練も行った。

同区防災課の小嶋浩一課長は「暑い時期に被災した場合、何が起きうるか各部署に考えてもらいたかった。訓練内容を検証し、より良い対応につなげたい」と話した。

町田市で情報伝達訓練、中野区で引き取り訓練

町田市では市内の保育所や幼稚園、放課後児童クラブなど213施設を対象に情報伝達訓練を実施した。

震度6強の直下型地震を想定し、午前10時半頃、市内の子育て情報などを掲示する「まちだ子育てサイト」が訓練用の緊急用ページに切り替わると、各施設が被災の有無や人的・建物など仮想の被害状況を国のシステムを通じて市に報告した。

市の担当者は「昨年より回答のペースは速かった。被災状況の把握は災害時の最初の対応で、その後の支援にもつながるので非常に大切」と話している。

中野区の「もしもしのほし中野保育園」ではこの日、保護者による引き取り訓練が行われた。保護者8人が参加し、災害時の連絡方法や、子育て家庭に必要な備蓄品などを確認した。

1歳の長男を預けるインドネシア国籍の会社員エリック・ブディマンさん(44)は「日本は地震が多いと感じる。防災アプリや避難所について教えてもらい、貴重な機会になった」と話した。

江戸川区で備蓄給食、都慰霊堂で法要

江戸川区の小中学校では、児童生徒らが備蓄用食品を使った給食を味わい、日常生活で消費しながら買い足す備蓄法「ローリングストック」を学んだ。

区立船堀第二小学校では、児童らがトマト缶を使ったカレーライスをほおばった。校内では啓発動画も放映され、栄養士が水や野菜ジュースで戻せる細めのスパゲティや乾燥わかめなど、オススメの備蓄用食品を紹介し、「消費期限が長いものを多めに買い置きし、取り出しやすい場所に置いて」とアドバイスした。

同小6年の鈴木杏さん(11)は「家でもストック中のものを買い替えるなど、家族で話し合って備えたい」と語った。

関東大震災と東京大空襲で亡くなった人の遺骨が安置されている墨田区の都慰霊堂では大法要が営まれ、遺族ら約120人が犠牲者に祈りをささげた。秋篠宮家の次女佳子さまも参列された。

都慰霊堂は、大震災の火災で約3万8000人が亡くなった陸軍被服廠跡にある。震災遺族の代表として焼香した大田区の伊東幸恵さん(87)は「最近の地震のニュースを見るたびに大震災で亡くなった人を思い出し、悲しくなる」と話した。

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当時の深川区(現江東区)で暮らしていた伊東さんの義理の伯母(当時27歳)と、その娘(同4歳)は震災で行方不明になり、遺骨も見つかっていない。60年以上、毎年欠かさず慰霊堂を訪れてきた伊東さんは、「慰霊できる場所をこれからも守って受け継いでほしい」と願った。