旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.(スマイルアップ))が東山紀之代表取締役社長の退任を発表した28日、故ジャニー喜多川氏による性被害を訴えてきた当事者からは、驚きや落胆の声が上がった。
「もっと対話を重ねてほしかった」
「東山氏が社長を辞めることについては、驚きを隠せない」
「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(解散済み)元副代表の石丸志門さん(59)は、朝日新聞の取材に対して、答えた。
石丸さんは「結局、謝罪役を担っていただけで補償については何の権限も持っていないことの表れだと感じた」。東山氏と面会したこともあるといい、その際、東山氏が「自分には権限はないから」と言っていたという。「社長といっても交渉相手にはならないんだなと感じた」
石丸さんは、被害者救済委員会から1800万円の補償額を提示されたが、「被害の実態や影響に見合っておらず、納得できない」として、不服を申し立てた。同社との調停でも折り合わず、2024年にスマイル社から、同社の損害賠償債務は「1800万円を超えない」ことの確認を求める訴訟を提起され、さいたま地裁で係争中だ。
石丸さんは東山氏について、「もっと何度でも被害者と対話を重ねて、補償を進めるという役割をやってほしかった」とした。
「人生かけると言ったのに…」
元ジャニーズJr.の大島幸広さん(41)は、「(東山氏が)人生かけて向き合っていく、ぐらいのことを言っていたのに『任期満了だから辞める』というのは、正直、意味が分からない」と漏らす。
大島さんも、被害者救済委員会による補償の枠組みに応じず、調停でも合意に至らなかったところ、2024年にスマイル社から損害賠償義務がないことの確認を求める民事訴訟を提起され、千葉地裁で係争中だ。
大島さんが補償の枠組みに応じなかったのは、被害の聞き取りが補償金の算定のために行われ、性被害の再発防止に役立てられないと考えたからだ。
大島さんは言う。「補償が落ち着いてきたなら今後のため、芸能界のため、日本のため、再発防止に力を入れるべきだと思う。再発防止には全容解明も欠かせず、東山氏には、そこをしっかり主導してほしかった」