東洋経済の独自調査により、日本から海外への高級中古車輸出ビジネスに、中国マフィアとみられる組織が深く関与している実態が浮かび上がった。複数の関係者への取材で、輸出業者が中国資本の背後にある組織と結託し、不正なルートで車両を輸出している疑いが強まっている。
輸出急増の背景に闇の資金
日本の貿易統計によると、2023年の中古車輸出額は前年比で約20%増加し、過去最高を記録した。特に中国向けの高級車輸出が顕著で、LEXUSやメルセデス・ベンツなどの高級セダンが中心だ。しかし、この急増の背景には、単なる需要増だけでなく、中国マフィアによる資金洗浄(マネーロンダリング)の動きがあると専門家は指摘する。
ある中古車輸出業者は「中国の顧客は現金一括払いが多く、車両価格の2~3倍の金額を支払うこともある。これは明らかにおかしい」と語る。このような取引では、車両の実勢価格と支払額の差額が、違法な資金を正当なビジネスに見せかけるための手数料として機能している可能性がある。
中国マフィアの手口
中国マフィアは、日本のオークション会場やディーラーから直接高級車を購入し、香港やシンガポールを経由して中国本土に密輸しているとされる。特に、香港は中継地点として機能し、車両の書類を偽造したり、所有権を曖昧にしたりするのに利用されている。
さらに、中国マフィアは日本の輸出業者と協力し、輸出許可証を不正に取得するケースもある。ある元輸出業者は「彼らは日本の法律を熟知しており、抜け穴を探すのが非常にうまい。我々も知らず知らずのうちに加担させられていた」と打ち明ける。
税関の対応は後手に
日本の税関は、不正輸出の取り締まりを強化しているが、中国マフィアの手口は巧妙化しており、後手に回っているのが現状だ。税関関係者は「書類上は問題がないため、摘発が難しい。特に、車両の価格操作や偽装書類の見破りには高度な専門知識が必要だ」と認める。
2023年には、横浜港で中国行きのコンテナから盗難車両が見つかる事件が発生したが、背後に中国マフィアがいるかどうかは立証されていない。しかし、今回の調査で、盗難車両の輸出にも同組織が関与している可能性が浮上している。
日本経済への影響
このような不正輸出は、日本の自動車産業や中古車市場に悪影響を及ぼす。正規の輸出業者は価格競争で不利になるほか、日本車のブランドイメージが損なわれるリスクもある。また、資金洗浄に利用されることで、日本の金融システムの信頼性を揺るがす可能性も指摘されている。
専門家は「この問題は単なる経済犯罪ではなく、国家安全保障にも関わる。政府は早急に対策を講じるべきだ」と警鐘を鳴らす。



