生体移植あっせん規制へ、警視庁が臓器移植法改正を厚労省に要望
生体移植あっせん規制へ、警視庁が法改正要望

カンボジアでの臓器移植を巡る有償あっせん事件を受け、警視庁が臓器移植法を所管する厚生労働省宛てに、同法の改正を求める要望書を送付したことが、同省関係者や捜査関係者への取材でわかった。同様の事件の再発を防止するのが狙いで、同庁が所管官庁に法改正の要望書を提出するのは異例という。

事件の概要と現行法の課題

事件では、海外での生体腎移植手術をあっせんして対価を得たとして、一般社団法人「国際医療相談室」の実質的運営者とされる菊池仁達(ひろみち)被告(66)(同法違反で起訴)が警視庁に逮捕された。

同法12条は、移植をあっせんする業者に厚労相の許可を義務付けるが、対象は脳死を含む死体からの移植で、生体移植は対象外だ。このため、生体移植のあっせんを行う業者については12条を適用できず、同庁は今回、患者側から対価を得てあっせんすることを禁じた同法11条で摘発した。

捜査のハードルと要望書の内容

一方、捜査関係者からは「11条は12条よりも捜査のハードルが高い」との声が上がる。「あっせん側が、患者から移植の必要経費とは別に『対価』となる利益を得たことを立証する必要がある」からだという。

要望書では「現行の許可制度では、生体移植のあっせんを業として行う者を規制できない」と指摘。「生体移植のあっせん業者も(12条の)規制の対象とし、実効的な取り締まりが可能となるよう法制度の見直しを願う」と記した。

厚労省の対応

厚労省の担当者は取材に「諸外国の規制など必要な情報を収集し、どのような対策ができるか検討していく」と話した。