政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(59)をなたで切りつけて殺害しようとしたとして、殺人未遂罪などに問われた宮西詩音被告(32)の判決が9日、東京地裁であった。江口和伸裁判長は、懲役9年(求刑懲役12年)を言い渡した。
襲撃事件の概要と被告の認否
起訴内容によると、宮西被告は2025年3月14日、東京・霞が関の経済産業省前の路上で、演説のために訪れた立花氏を刃体約15センチのなたで切りつけ、殺そうとした。立花氏は頭や左耳に約3週間の切り傷を負った。
宮西被告は起訴内容を認め、裁判では量刑が争点となった。
犯行に至る経緯と検察側の主張
検察側の冒頭陳述や被告人質問によると、被告は2025年1月、兵庫県の内部告発文書問題をめぐり、元県議(当時50)が死去したことを知り「立花氏が元県議への誹謗中傷を拡散し、自死に追い込んだ」と考えた。かつては立花氏を支持し、投票したこともあったが、「元県議の死に対し、立花氏が法の裁きを受けることはないだろう。かつて票を投じた自分にも責任がある」などと考え、殺害を決意したという。
検察側は、法で裁けないなら実力行使をしようと殺害を計画したのは「法治国家を否定する行為」だと非難。悪質な犯行であり、被告は真の反省に至っていないとして懲役12年を求刑した。
弁護側の主張と立花氏の対応
一方の弁護側は、被告が約6年にわたり人との会話がほぼなく、極度の孤立状態にあったことや、ASD(自閉スペクトラム症)の特性が事件に影響したと主張。出所後の支援体制が整っており「再犯可能性は低い」として懲役5年が相当だと述べた。
立花氏は兵庫県の内部告発文書問題にからみ、死去した元県議の名誉を傷つけたとする名誉毀損罪で起訴されている。身体を拘束する「勾留」が続いているが、今回の裁判には被害者として参加した。
宮西被告の量刑について立花氏は、検察の求刑通りの刑を求めた。「宮西君を憎いと思う感情は一切ない」としつつ、「更生には時間が必要だと思う」などと述べていた。