2030年に島根県内で開催される「島根かみあり全スポ」(全国障害者スポーツ大会)に向け、視覚障害者向けの「ブラインドベースボール」の県内チームが今春、約20年ぶりに結成された。当時の選手や監督が指導役を担い、4年後の大舞台に向けて練習を重ねている。
体験会に約40人の視覚障害者が参加
5月30日午前、県立盲学校(松江市)のグラウンドで、ブラインドベースボールの体験会が開かれた。バレーボールほどの大きさのボールを投手が転がすように投げ、打者がボールと砂が擦れる音に耳をすませてバットを振ると、「ドン」とボールが当たる音が響いた。ベンチからの「走れ!」という声とともに、拍手が聞こえる一塁ベースの方向へ走った。
体験会は県が開き、県立盲学校の生徒や障害者支援施設「しののめ寮」(同市宍道町)の利用者など、14~64歳の視覚障害者ら約40人が参加した。県男子ソフトボールチーム「AQUA SHIMANE」の選手4人を交えて約2時間汗を流した。
「転がしソフトボール」の特徴とチーム再編の経緯
「転がしソフトボール」とも呼ばれるこの競技は、ボールと地面がすれる音や打球音を頼りにプレーする。1チーム10人で、全盲の選手が4人以上いなければならない。
県内では20年以上前に、盲学校の部活動の一環として競技が行われ、生徒や卒業生らが大会に出場していた。だが選手の減少に伴い、盲学校としては04年度、社会人としては09年度の大会を最後にチームが解消していた。
全スポでは、団体7競技が実施されるが、県内では24年度時点で、ブラインドベースボールを含む障害者向けの4競技でチームが編成されていなかった。県によると、いずれも選手不足が理由という。
指導陣と今後の展望
30年に全スポが開催されるのを受け、県が支援し、4競技ともチームができた。ブラインドベースボールでは、県立盲学校の協力を得て体験会を通して選手を集め、過去に活躍した選手や監督を指導者に招いた。
チーム名は、「ブラインドスポーツクラブ(県ブラインドベースボールクラブ)」で、5月末時点で14人が選手登録した。監督は、県立盲学校の曽田秀聡教諭が務める。
社会人チームで監督を務めていた長谷部一成さん(55)はコーチを担う。「若い人を中心にチームが立ち上がり、大変うれしい。できる限りサポートしたい」と話す。かつて投手だった藤原良弘さん(52)も選手の指導にあたる。「難易度の高い競技なので、少しずつレベルアップしてほしい」と期待を寄せた。
全スポは、全国から約5000人が参加する国内最大の障害者スポーツの祭典。会期は3日間で、団体競技は都道府県・指定都市対抗方式で行われる。



