渋谷暴動事件の大坂被告、控訴審即日結審 判決は12月21日
渋谷暴動事件の大坂被告、控訴審即日結審 判決は12月21日

1971年11月に起きた渋谷暴動事件で、警察官を殺害したとして殺人などの罪に問われた過激派「中核派」の構成員・大坂正明被告(77)の控訴審の第1回公判が2日、東京高裁で開かれた。被告側は一審に続いて「関与していない」と無罪を主張し、証拠の取り調べや証人尋問の実施を求めたが、高裁は全て退け、即日結審した。判決は12月21日に言い渡される。

約46年の逃亡生活と一審の判決

事件後に被告は約46年にわたり逃亡生活を続け、2017年に逮捕された。東京地裁は23年、被告が71年11月に沖縄返還協定に反対するデモに参加し、警備していた中村恒雄巡査(当時21)を他のデモ参加者と鉄パイプなどで多数回殴り、共犯者が投げつけた火炎瓶によるやけどで死亡させたと判断。懲役20年を言い渡した。

供述調書の信用性が争点に

検察側の証拠で、デモ参加者のうち4人が「被告が(死亡した)警察官を殴っているのを見た」と述べた供述調書があったが、うち2人は地裁の公判で「見ていなかった」と説明を変えた。地裁判決は、この2人のうち1人の調書の信用性を否定したものの、ほかの3人の調書は信用できると認めた。

弁護側の批判と高裁の判断

この日の公判で弁護側は、地裁判決について「最大の問題点は事件が50年前であるという特殊性を理由に、公判での証言を記憶の減退として切り捨て、検察官の調書に依拠して事実認定をしたことだ」と批判。

特に、公判で証言を翻しても調書の内容が採用された点などについて、「記憶と推測が混然一体となって記載された不自然な調書だ」として専門家の証人尋問を求めたが、高裁は認めなかった。