「国策」による高い利回りをうたい、サーバーの所有者になるよう持ちかけていた会社が2月、出資者への払い戻しが途絶え、経営破綻(はたん)した。プロ野球OBや警察、政治家などとのつながりもアピールしていたが、個人と法人合わせて2500超の出資者が総額160億円近くの損失を抱える。朝日新聞が独自に入手した内部資料や音声記録を分析すると、会社の説明との食い違いが見えてきた。
経営破綻した会社の実態
経営破綻したのは、データを保管・管理するサーバーの事業会社「クリアースカイ」(京都市)。朝日新聞はクリアー社の会長と代表社員に、サーバーの保有状況や返金のめどを尋ねる質問状を出した。これに対し、会社の代理人弁護士は「2人に確認したが、すべて答えられないとのことだった」と話した。
出資の仕組みと勧誘の実態
出資者側の弁護団によると、クリアー社は5年ほど前から、「1口110万円を出資してサーバーの所有者になれば、数カ月後に元本へ1割の利息を上乗せして返す」として資金を集めていた。
会社側は、出資金でデータ保管用のサーバーを製造し、企業へ貸し出して利益を得る仕組みだと説明。会社が手がけるデータ分散型サーバーの普及は「国策」だともアピールしていたという。
有名人や警察を活用した信用づくり
勧誘の場では、社会的な信用を印象づける演出も目立った。2024年11月には、京都市内の高級ホテルで創業5年目に入るのを機に「5周年記念パーティー」を開催。数百人の出資者が集まり、阪神OBら元プロ野球選手や格闘家が登壇した。大手自動車販売会社の役員もあいさつしたという。
別の日にあった関連団体の勉強会では、京都府警の警察官が講演していたことも判明した。府警は取材に対し事実関係を認めたうえで、「クリアースカイが関係する会合とは認識していなかった」と説明している。
複数の出資者によると、セミナーでは閣僚らとの面会実績が紹介されるなど、政治家とのつながりも強調されていたという。
こうした説明を信じて出資した人は全国に広がった。朝日新聞は、これまで明らかになっていない内部資料や音声記録の分析を進めており、会社の説明との食い違いがさらに浮き彫りになる可能性がある。



