佐藤二朗公表「強迫性障害」の苦悩と脳の回路の機能問題を解説
佐藤二朗「強迫性障害」の苦悩と脳の機能問題

俳優の佐藤二朗さんが自身の強迫性障害を公表し、SNSで「沢山の励まし、ありがとう」と感謝の気持ちをつづった。この病気は、不安や恐怖から儀式的な行動を繰り返してしまう精神疾患で、患者本人だけでなく家族にも影響を及ぼすことがある。

発症のきっかけは人それぞれ

強迫性障害の発症のきっかけは、患者によって明確な場合とそうでない場合がある。医療法人社団洛和会の精神科医・清水さんは、「患者さんのなかには、ベランダで布団を干していたら鳩にふんをされ、そこから『自分は鳩のふんで病気になるんじゃないか』という不安が頭から離れなくなったと話す人もいますし、なんとなく汚いのが嫌になってきて、気がついたら手洗いばかりするようになっていましたと話す人もいます」と説明する。

脳の回路の機能の問題

心の病気は脳の病気という考え方がある。強迫性障害の場合、脳にどんな問題が生じているのか。清水さんは「強迫性障害は、脳腫瘍や脳卒中のように脳画像検査で異常を指摘できる病気とは違い、『脳の回路の機能の問題』として捉えます」と語る。まだ不明な点も多いが、原因の解明が進んでおり、その一つが前頭葉を含めた脳の回路の問題だ。前頭葉は行動決定などの高度な機能を担うが、強迫性障害ではこの回路が儀式的な繰り返しをやめられなくなる。さらに、不安や恐怖に関係する神経伝達物質セロトニンの減少や、喜びの報酬予測に関係するドーパミンのアンバランスも関与しているとされる。

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家族への「巻き込み」という影響

強迫性障害は患者本人の苦しみだけでなく、家族にも影響が及ぶことがある。例えば、患者が家族に対して「大丈夫と言ってほしい」と繰り返し保証を求めたり、自分の強迫行動を手伝うよう強制したりする。これを「巻き込み」という。清水さんは「強迫性障害の患者さんは、『洞察が乏しい(病識が不十分)』といった言い方をするのですが、強迫行為をやって当然、やるべきことという正当性に固執するあまり、周囲にも同じことをさせていることが少なくないのです」と指摘する。

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