ロシアによる邦人記者拘束、識者が「単なる警告ではない」と指摘
ロシア邦人記者拘束、識者が「単なる警告ではない」と指摘

ロシア連邦保安局(FSB)は13日、北海道新聞の記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。記者が日本の情報機関の指示を受け、ロシアの防衛力に関する情報を収集・保管していたと主張している。日ロ関係を研究するテンプル大学ジャパンキャンパスのジェームズ・ブラウン教授(政治学)は、ロシア側の意図について分析を語った。

ロシア側の意図は圧力戦術

ブラウン教授は、拘束がロシアによる圧力戦術の一例であることは明白だとし、ロシア当局が日本による新たな制裁への報復を狙っていると指摘する。

また、日本は5月、ランサムウェア(身代金ウイルス)集団「Qilin(キリン)」の中核メンバーとされるロシア人の男を大阪で拘束し、10月2日にドイツへ引き渡した。ブラウン教授は、ロシア情報機関がこの移送への報復を図った可能性もあるとみている。ロシアの情報機関とサイバー犯罪集団の間には緊密な関係があるからだという。

モスクワ移送の意味

ロシア当局は特派員を国外追放せず、モスクワに移して拘束したことについて、ブラウン教授は「事態は極めて深刻です。単なる警告なら、短期間拘束した後、国外追放にした可能性が高いでしょう」と述べた。実際には、ロシア軍に対するスパイ行為の容疑をかけ、モスクワに移送したという。

ブラウン教授は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者の事件を想起させるとして、彼もスパイ罪に問われ、拘禁刑16年を言い渡され、拘束は491日間に及んだと指摘した。

今後の展開は日本政府の対応次第

今後の展開は、日本政府の対応次第だとブラウン教授はみている。ロシアは北海道新聞の記者を交渉材料として利用しようとしている可能性が高いとし、日本側が制裁緩和などの譲歩に応じれば、より早く釈放される可能性があると述べた。