長崎は9日、被爆から81年の原爆の日を迎えた。長崎市の平和公園で開かれた平和祈念式典で、高市早苗首相があいさつを読み上げ、被爆樹木の姿が長崎市民の復興の姿と重なると述べた。
首相、被爆者への哀悼とお見舞い
高市首相は「81年前の今日、長崎の地に投下された一発の原子爆弾により、多くの方々の貴い命が失われました」と述べ、犠牲者に対し哀悼の誠を捧げた。また、今なお被爆の後遺症に苦しむ人々へのお見舞いの言葉も述べた。
さらに「焦土と化した街が、このように美しく復興を遂げたことに、私たちは改めて、市民の皆様が積み重ねてこられたご努力、そして、平和の尊さを強く感じる次第です」と語った。
非核三原則と核兵器のない世界への決意
首相は「81年前の長崎と広島の惨禍を決して繰り返させてはなりません」と強調し、非核三原則を堅持し、「長崎を最後の被爆地に」という誓いの下、核兵器のない世界の実現に向けた現実的かつ実践的な取組を推進していると述べた。
また、先般の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議では、厳しい国際安全保障環境の中、各国にNPTの維持・強化に向けた結束を呼びかけたと説明。今後も「ヒロシマ・アクション・プラン」に基づき、一歩一歩、着実に努力を積み重ねていく決意を示した。
被爆の実相の継承と援護施策
世界に被爆の実相の正確な理解を広める重要性が高まっているとして、世界中の指導者や未来のリーダーへの被爆地訪問を呼びかけ、核兵器使用の惨禍に関する記憶を継承していく取組を続けると述べた。
被爆者が高齢化する中、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策を進めるとし、特に原爆症の認定について、一日も早く結果を知らせるため、できる限り迅速な審査に努めるとした。被爆体験者に対しても、被爆者と同等の医療費助成を着実に実施する方針を示した。
被爆樹木に希望の光
首相は「この街には、81年前のあの日を経験した被爆樹木があると伺っています」と述べ、強烈な爆風と熱線で幹を焼かれ、枝を折られても、大地に根を張り、再び葉を芽吹かせた被爆樹木の姿が、苦しみと悲しみの中にあった人々の心に希望の光を灯したと語った。
その上で「被爆樹木の姿は、廃墟から見事に復興を遂げられた長崎の皆様の姿とも重なります」と述べ、長崎市が国際文化都市として今日の姿を築かれたことに触れ、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて尽力することを誓った。
結びに、犠牲となった人々の御霊の安寧と、遺族、被爆者、参列者、長崎市民の皆様のご平安を祈念した。



