創業210年の伝統を誇る八女市の「伊藤権次郎商店」が手がける八女ちょうちんに妖怪を描き、福岡県柳川市の料亭旅館「柳川藩主立花邸御花」で展示するイベント「奇怪夜行2026」が、8月13~16日と21、22日に開かれる。今回は初めて、同じ観光拠点の沖端地区にある「北原白秋生家」と、初代柳川藩主・立花宗茂らを祭る「三柱神社」にサテライト会場が設けられる。
「優しく怪しい」空間芸術
関係者は「優しく怪しいちょうちんの光に浮かび上がるアートを楽しみ、柳川の魅力を再確認してほしい」と呼びかけている。
同商店8代目の伊藤博紀さん(36)は、ちょうちんの需要が減っていたこともあり、以前から関心があった妖怪の絵を和紙で作るちょうちんに描くようになった。妖怪の絵は江戸時代にはほとんどが墨で描かれており、伊藤さんは想像力を膨らませて着色した。
巨大ちょうちんや絵巻も
暗くした会場でちょうちんをともし、和紙を透かして妖怪の絵が浮かぶ様子はユニークな空間芸術(インスタレーション)と注目され、2021年から「奇怪夜行」を御花とのコラボ企画として開催している。
今回は御花の100畳の大広間などを暗くして、直径90センチの巨大なちょうちんを4、5個連ねて設置。柳川に伝わるカッパなど各地の妖怪伝説や、妖怪との30日間にわたる根比べを描いた江戸時代の「芸州武太夫物語絵巻」をモチーフにした、球形や筒状のちょうちん約70個を並べる。
絵巻の公開やサテライト会場
全3巻の絵巻は御花敷地内の立花家史料館が所有しており、期間中は同館で公開する。イベントの入場料は同館の入館料込みで一般1800円、高校生1000円、小中学生500円。
サテライト会場の北原白秋生家は期間中、午後6~9時に開く。「生じろい 鋏(はさみ) を持つて 生膽取(いきぎもとり) のさしのぞく夜」など、幼少時代の経験を題材にした白秋の詩集「思ひ出」から一節をつづり、白秋作のイラストを再現したちょうちんなどを展示する。伊藤さんは「柳川に残る伝承や文学をテーマにした」と話す。入館料は高校生以上800円、小中学生500円。
夜間川下りも
西鉄柳川駅近くにある三柱神社では13~22日の午後4~9時、立花家に伝わる「カッパの手」を拝観できる。入場無料。
御花の運営会社の立花千月香社長は「御花の文化財空間にとどまらず、水郷のまちを巡りながら、怪異と美に出会う体験を楽しんでほしい」と話している。
期間中は、三柱神社前から御花までの夜間川下りも実施される。イベントの問い合わせは御花(午前9時~午後4時。0120・336・092)へ。



