ストーカー対策でGPS装着導入へ、警察庁が有識者検討会設置
ストーカーGPS装着導入へ、警察庁が有識者検討会設置

警察庁は15日、一部の危険なストーカー加害者にGPS(全地球測位システム)機器を装着させ、被害者への接近を知らせる仕組みなどの導入に向けた有識者検討会を設置すると発表した。来年以降のストーカー規制法改正を想定している。

検討会の構成と初会合

検討会は、ストーカー殺人事件の遺族や、憲法、刑事法などに詳しい大学教授、精神医学や心理学の専門家、被害者支援に詳しい弁護士ら8人で構成する。19日に初会合を開き、GPS機器の装着などを義務づける加害者の基準や、被害者に接近を通知する距離の範囲など、制度設計のあり方を議論する。

深刻化するストーカー被害

ストーカー被害は深刻化しており、昨年のストーカーの相談件数は2万2881件(前年比3314件増)と高水準だ。重大事件の未然防止を図るため、都道府県警がストーカー規制法に基づいて加害者に出した付きまとい行為などの禁止命令は過去最多の3037件(同622件増)に上った。

それでも、重大事件は相次いでいる。今年3月には東京・池袋の「ポケモンセンターメガトウキョー」で、女性店員が禁止命令を受けていた元交際相手の男に刺殺される事件が発生。男は昨年末に女性店員に対するストーカー規制法違反容疑で逮捕されたが、医療機関の受診やカウンセリングは拒否していた。

政府の犯罪対策閣僚会議は今年7月、摘発や禁止命令を顧みない一部の危険な加害者は、重大事件を起こす恐れがあるとして、GPS機器などを装着させる制度の早期導入の検討を促す緊急対策を決定していた。

海外の先行事例と今後の検討

韓国では2023年から、ストーカー加害者にGPS機器付きの足輪を装着し、監視する運用を始めた。加害者が被害者の2キロ圏内に接近した場合、被害者のスマートフォンに自動的に通知される仕組みだ。韓国法務省の今年6月末時点の集計によると、GPS装着者による被害者への重大事件は起きていない。

スペインやドイツ・ヘッセン州でも加害者の接近をGPSで把握する制度は運用されており、有識者検討会は、先行的に取り組む海外の制度を参考に議論を重ねる。

このほか、一部の加害者がストーカー行為をエスカレートさせないよう治療・カウンセリングを義務化する仕組みの導入についても検討していく。