地道な捜査と基本を貫き平穏な日常を守る 小松川署生活安全課 若生さをり警部補(54)
地道な捜査と基本を貫く若生警部補 小松川署生活安全課

幼いころ、テレビドラマで犯人を追う女性刑事の姿に「かっこいい」と目を奪われた。数年後、年上のいとこが警視庁の警察官になったのを見て、憧れの刑事は「テレビの中の存在」から目指すものに変わった。

刑事としての第一歩と警視総監賞

警察学校を卒業後に配属された高尾署で、念願の刑事課に配置され、夢に見た刑事として窃盗事件などの捜査に明け暮れた。盗犯捜査の基本だという質店の捜査「質屋回り」を地道に続け、被害品の高級時計を発見。強盗事件の容疑者特定につながったとして警視総監賞を受賞した。

生活安全部門での挑戦

平成16年以降は主に生活安全部門に身を置き、数多くのストーカー事案に対応してきた。数年前にストーカー規制法が制定されたが、世間ではまだストーカー事案に対する認知度が低く、被害者に危険性を理解してもらうのにも時間がかかった。「この仕事が務まるだろうか」。そう思い悩んだ時期もあった。それでも「やるしかない」と自分を奮い立たせ、新たな担当分野でも基本を大切にした。適切な判断を通じて、事態が深刻化する前に解決へ導けるようにストーカー規制法の本を読み込んだほか、被害者から信頼を得るため、丁寧なコミュニケーションに努めた。

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やりがいを実感した事案

基本を貫いた先で、やりがいや意義を強く実感したのが、生活安全総務課のストーカー対策室(当時)在任中の24年に捜査した隣人トラブルの事案だ。相談に訪れた男性は、約10年にわたって隣人から付きまとわれ、騒音を浴び続けていたという。裏付けのため、ほかにも同様の被害を受けていた近隣住民への丹念な聞き取りや客観証拠を積み重ねて、隣人を都迷惑防止条例違反容疑で逮捕すると、男性のこわばった表情が徐々に緩んだ。「平穏が取り戻せます」と笑顔で告げられたことを今も思い出し、身が引き締まる。

現在の活動と今後の決意

現在、小松川署生活安全相談係の係長として、係員の先頭に立って人身安全関連事案に取り組む。部下に的確な助言をしつつも、人身安全事案は「世相の変化を反映する」として、若い世代の意見も積極的に取り入れるよう心掛けている。「被害者の悩み、苦しみを完全には解決できなくても、いかにして前向きに歩んでもらえるかを考える」。今後も相談者の平穏な日常を取り戻していく。

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