1200年で坑道800キロの尾去沢鉱山、2028年3月に完全閉鎖へ
尾去沢鉱山、2028年3月完全閉鎖へ 坑道800キロ

秋田県鹿角市の社会科見学施設「史跡尾去沢鉱山」について、運営会社の「ゴールデン佐渡」は、施設の老朽化や従業員不足、維持コストを理由に2028年3月末に完全閉鎖すると発表した。今年度の坑道見学は11月30日で終了し、冬季休業となる。団体予約の受け付けは10月31日まで。

見学者は最盛期の51万人から約2000人に減少

施設は4月から、完全予約制で修学旅行や社会人研修などの団体を受け入れてきた。同市の第3セクターだった1989年、来場者は51万人を数えたが、今年は地元の小中学生ら約2000人にとどまっている。

大学院生らが最後の視察、貴重な財産を惜しむ

21日には、秋田大大学院生5人がカナダ・ケベック州のラバル大の教授ら13人と視察に訪れた。一行は坑道内で純度の高い銅鉱脈をライトで照らして観察。高さ約45メートルの採掘跡などを熱心に見て回った。

秋田大大学院博士課程1年の粟野靖浩さん(26)は「金色に輝く鉱物を見ると誰もが金が採れていたとイメージできる。これだけ大規模な坑道は希少で(施設閉鎖は)地質学を学ぶ私らも貴重な財産を失うことになる」と惜しんだ。

約1200年の歴史、坑道は通学路にも

尾去沢鉱山では約1200年間で掘られた坑道は約800キロ。明治期の1879年以降、ダイナマイトや近代的な削岩機などが使われ、1978年閉山した。最盛期の昭和30~40年代、近くの尾去沢小は児童が約2000人おり、坑道が通学路になっていたという。