長時間労働と上司の暴行で適応障害、自殺の男性店長の遺族補償認める 名古屋地裁
長時間労働と暴行で自殺の店長、遺族補償認める 名古屋地裁

名古屋市千種区のポーカー店「じゃんけんポーカー」で店長として勤務していた井上遥樹さん(当時25)が自殺した問題で、遺族が労災保険法に基づく遺族補償などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が16日、名古屋地裁(松田敦子裁判長)でありました。

判決は、業務によって発病した適応障害の影響で自殺に至ったと認定し、不支給処分を取り消しました。

長時間労働と暴行の実態

判決によると、井上さんは遅くとも2019年10月以降にポーカー店の店長として勤務し、2020年11月に千種区内の建築現場で自殺しました。その前月にあたる10月の残業時間は約73時間に及び、9月末から16日連続で勤務したこともありました。自殺の約1カ月前には、上司の男性から暴行を受けていました。

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遺族は2021年4月に名古屋東労働基準監督署に労災請求しましたが、認められず不支給となり、2024年3月に提訴していました。

判決の内容と遺族の思い

判決は「長時間労働や暴行による強い心理的負荷によって適応障害を発病し、自殺に至った」と結論付けました。

判決後、井上さんの母、里恵さん(61)は会見で「大切な息子が亡くなって約6年。労災と認められず、苦しい時間だった」と振り返りました。

名古屋東労基署は「関係機関と協議し、対応を判断したい」とコメントしました。

賠償訴訟の行方

名古屋地裁は3月、遺族が店の運営会社などに損害賠償を求めた訴訟で、会社側に約1億160万円の支払いを命じていました。会社側が控訴し、名古屋高裁で審理が行われています。

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