犯罪被害者の家族らへの支援の理解を深めようと、熊本県警宇城署は署員向けの講演会を開き、殺人事件で長女・清水心ちゃん(当時3歳)を失った母の真夕さん(53)を招いた。真夕さんは「被害者の苦悩はずっと続くが、支えてくれた人がいたから今がある」と語り、捜査や事件後の支援に感謝した。
事件の概要とネット上の誹謗中傷
事件は2011年3月3日、熊本市のスーパーで発生。心ちゃんは家族と買い物中に一人でトイレに行き、父親が後を追ったが、障害者用トイレに連れ込まれて命を奪われた。事件後、インターネット上では「親が悪い」などのコメントが書き込まれ、家族をさらに傷つけた。
講演で語られた被害者家族の苦悩
9日の講演で真夕さんは、日常生活に支障が出ないよう事件を「心の箱にしまっている」と例えた。ただ、遺体確認や火葬の記憶は「箱に入れられない」と述べ、家族それぞれが心ちゃんを助けられなかった苦悩を抱え続けてきたが、「最近はよく耐えて頑張ってきたと思えるようになった」と心境を明かした。
また、水路に遺棄されていた遺体は「声をかければ起きてくるのではと思うほどきれいだった」と振り返り、捜索した県警に謝辞を述べた。事件後の温かい支援に触れ、3人の兄たちの成長動画を紹介。「娘の事件に関わってくれたおかげで生き延びた命がある。大変な仕事だが、たくさんの人を助けて頑張ってください」と語りかけた。
同署地域課の松田賢太巡査(23)は「警察の仕事は事件解決だけでなく、被害者側の心の支えとなるサポートも大切だと感じた。同じような事件が二度と起こらないよう励みたい」と述べた。



