世界的な医療機器会社が複数の病院から患者のX線画像を不当に入手していた疑いが明らかになった。病院側が個人情報保護法に基づき厳格に管理しなければならないとされるX線画像を、会社はどんな目的で集めていたのか。
この会社は整形外科用の機器を販売する「スミス・アンド・ネフュー」(東京都港区)。朝日新聞が確認した同社のグループチャットには患者のX線画像が繰り返し投稿されていた。
9病院から流出か、社員が撮影し社内共有
患者のX線画像が流出したとされる病院は、医療目的など特定の目的以外で患者の個人情報を利用する際は、本人の同意が必要と規定している。病院の一部は取材に、手術室での画像の撮影や持ち出しは原則として認めておらず、必要な場合は患者の同意を前提とした確認を行う、とした。
スミス社は取材に「許可の有無などについて調査を進めている」と答えつつ、同社の社員が患者の手術の際にX線画像を撮影することで入手したと説明する。流出を認めた病院の一つは取材に、正当な手続きが取られないまま、執刀医が個人的に持ち出しを許可した可能性があると答えた。
大阪公立大医学部付属病院が謝罪、調査継続
大阪公立大医学部付属病院は12日にホームページで「個人情報を含む画像の不適切な撮影ならびに持ち出しに関するお詫(わ)びとご報告」と題するお知らせを公表。患者の同意なく業者による画像の持ち出しが行われたことを明らかにした。業者からは「(病院関係者から)口頭で撮影の許可を得ていた」との説明を受けたが、「そのような事実の確認には至っていない」とした。
投稿には執刀医の名前や手術日程も
問題の投稿には画像のほか、執刀医の名前や手術の日程などさまざまなコメントが添えられていたとされる。「大柄な男性でしたが、全く問題なく、オペされていました」と自社製品を使った手術の成功例を紹介。執刀医を名指しして「使用頂きました」と紹介しつつ、別の日に「お代わりいただいています!」と自社製品が再び別の手術に使われることを示唆する記述もあった。
特定の大学名を挙げたうえで…この記事は有料記事です。残り776文字



