終戦の日を目前に控えた13日、ロシアが不法占拠している北方領土・択捉島にプーチン大統領が初めて足を踏み入れた。元島民らからは「許しがたい」と憤りの声が上がった。
元島民ら、衝撃と怒り
歯舞群島の志発島出身で、千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)関東支部の児玉泰子支部長(81)は「とうとう行ったか、という感じだ。言葉が出ない」とショックを隠さない。
元島民2世で、北方領土の歴史資料などを展示する「北方館」(北海道根室市)の副館長、清水幸一さん(70)は「とんでもない話だ。静かな気持ちで過ごしたいタイミングで、許しがたい雑音が入った」と憤る。
墓参再開は遠のく
日露関係を巡っては、ロシアのウクライナ侵略(2022年2月)に伴って日本が発動した対露制裁にロシアが反発。元島民らによる島への墓参やビザなし交流が中断された。元島民らはこの時期、船上から先祖を弔う「洋上慰霊」を余儀なくされている。
高齢化が進む元島民らにとって墓参再開は喫緊の課題だが、今回のプーチン氏の訪問で日露関係の悪化は必至だ。国後島出身の母(91)がいる根室市の元島民2世、本山雅士さん(67)は、「いつになったら再開できるのか」と落胆する。
政府への訴え
プーチン氏が択捉島入りに先立ち、北方領土問題は国際文書で決着しているなどと発言したことについては、「これまでの日露交渉を無視するものだ」と批判。日本政府に対し、「ロシアが挑発的な行動に出るのは初めてではない。単なる抗議で終わらず、今回はより踏み込んだ対応をしてほしい」と訴えた。



