地震後のトイレ使用、5割近くが安全確認前に流す可能性…備蓄は4割
地震後のトイレ使用、5割近くが安全確認前に流す可能性…備蓄は4割

地震などの災害時にトイレが使えなくなることが不安視されているにもかかわらず、非常用トイレを備蓄している人は約4割にとどまることが、大幸薬品(大阪市)が防災の日(9月1日)を前に実施したアンケート調査で明らかになった。大地震の直後は「トイレを使用しないこと」が推奨されているものの、下水道管などの安全が確認される前にトイレを使う可能性のある人が5割近くに上っており、トイレ防災の備えや知識が不十分な実態が浮き彫りになった。

調査概要と不安の実態

同社は7月10日~13日、全国の20~69歳を対象にインターネットで「災害時のトイレ防災に関する意識調査」を実施。「災害時に不安に感じること」「自宅に備えている防災用品」などについてアンケートを行い、男女計1095人から回答があった。

調査結果によると、地震や台風などの災害を想定した時に不安に感じること(複数回答)を聞いたところ、「トイレが使えないこと」が66.1%で最も多く、「飲料水の不足」(61.2%)、「食料の不足」(57.9%)、「暑さ・寒さへの対応」(48.6%)が続いた。

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備蓄の現状と安全確認の重要性

自宅に備えている防災用品について尋ねると、「飲料水」(76.3%)、「非常食」(66.5%)、「懐中電灯・ランタン」(62.9%)が6割を超えた一方で、「現金」(44.0%)、「常備薬・胃腸薬」(41.8%)、「非常用トイレ」(41.3%)などが半数を下回った。

国土交通省や東京都水道局などは、大地震が発生した場合、下水道管や水再生センター・ポンプ所に損傷などが発生し、下水道の使用を制限することがあるとしている。これらの施設の安全確認ができていない状態でトイレの水を流すと、汚水が逆流したり、集合住宅では階下に汚水漏れが広がったりする可能性があると注意を呼びかけている。

安全確認前のトイレ使用と携帯用トイレの不足

アンケートでは、「断水はしていないものの安全確認ができていない状態でトイレの水を流してよいと思うか」の質問に、54.1%の人が「流さないほうがよいと思う」と正しく回答。これに対し、「くみ置きの水などがあれば流してよいと思う」(22.3%)、「問題なく流してよいと思う」(12.5%)、「わからない」(10.8%)と回答して、安全確認の前にトイレの水を流してしまう可能性がある人は計45.6%に上った。

大地震の直後は、たとえ断水していなくても、非常用トイレを使用するのが望ましいとされているが、非常用トイレを備えている人に準備している個数について質問すると、「5~20回分程度」が36.6%で最も多く、「5回分未満」(19.9%)と合わせると、20回分以下が56.5%で半数を超えた。非常用トイレの備蓄の目安として、経済産業省は、1人1日当たり5回分、1週間で計35回分の備蓄を推奨しており、飲料水や非常食などと比べると備えが後回しになっているようだ。

さらに、普段の外出時に持ち歩いているものを尋ねたところ、「現金」(50.6%)、「飲料水・水筒」(42.0%)、「モバイルバッテリー・充電器」(29.5%)などが上位を占めた一方、「携帯用トイレ」はわずか4.2%にとどまった。「外出時にトイレが使えなくなる状況を想定したことがない」「かさばりそうだから」などの理由で、大半の人が携帯用トイレを持ち歩いていないことが分かった。

同社は「災害時に十分なトイレを確保できないと、水や食料の摂取を控えるようになり、体調不良や持病の悪化、エコノミークラス症候群などにつながる恐れがある。水や食料という『入り口』だけでなく、トイレという『出口』もあわせて備えることが大切」と、非常用トイレの備蓄や携帯を呼びかけている。

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