熊本地震で被災の八代亜紀さん「聖地」キャバレー再開、常連客の声が後押し
熊本地震で被災の八代亜紀さん「聖地」キャバレー再開

熊本地震で震度6強を観測した熊本県八代市のキャバレー「ニュー白馬」が、営業を再開した。2023年に亡くなった市出身の歌手・八代亜紀さんがデビュー前にステージに立ち、ファンから「聖地」と呼ばれる場所だ。店を慕う人たちの声が早期再開を実現させた。経営する池田義信社長(77)は「被災者の希望になりたい」と話している。

地震から約3週間、ネオン看板が再び点灯

8月20日午後7時40分、ニュー白馬の壁面に設置された「White Horse」のネオン看板がピンク色に点灯した。地震発生から約3週間。輝きを取り戻した店に、客が一人二人と入っていく。一番乗りした八代市の会社員男性(43)夫妻は月に2、3回通っているといい、「またオープンしてくれた」と喜んだ。

店は1958年に開業した。約200平方メートルの店内は直径約5メートルのシャンデリアがきらめく。緞帳のあるステージとホールを備え、バンドが昭和歌謡やジャズを演奏。八代さんの衣装、写真も飾られ、客は本人を感じながら「舟唄」「雨の慕情」を歌ったり、踊ったりして楽しめる、全国に知られた観光スポットだ。

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被災した店内、再開を後押しした常連客の声

熊本地震が起きた7月28日夕、出先にいた池田さんは、揺れが収まるとすぐ店に駆け付けた。店内の酒瓶やグラスは割れて床に散乱し、シャンデリアの鎖は垂れ下がっていた。店内の惨状に池田さんは言葉を失った。生演奏に欠かせない、ドラムセットやピアノなど楽器一式とスピーカーは無事で再開に望みをつないだ。だが、民家、商店は倒壊し、多くの被災者が避難生活を強いられる中で、池田さんは「開けていいものか」とためらった。

背中を押したのは全国の常連客だった。「いつ開けますか」「応援してます」。店の電話に、再開を望む声が続々と届いた。取引のあるおしぼり業者などは手弁当で片付けに協力した。「被災地には明るい話題が必要。一歩ずつでも前に進んでいると伝えたい」と池田さんは思い直した。

再開は八代さんの誕生日に合わせ、当面は週3日営業

急ピッチで店を整え、再開は八代さんの誕生日の8月29日に間に合った。池田さんは「亜紀ちゃんが生きていたら応援に来て、みんなを『頑張ろうね』と励ましていたと思う。白馬のネオンを見て再開する飲食店が増え、八代が元気になってほしい」と願っている。

店は当面の間、毎週木、金、土曜日の午後8時~10時半で営業する。

熊本県は1日、熊本地震による住宅被害が6万棟を超え、6万1133棟に上ったと発表した。被害調査が進み、前日から5416棟増えた。

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