法務省「全身入れ墨ポスター」に嫌悪感、その正体とは
法務省「全身入れ墨ポスター」に嫌悪感、その正体とは

法務省の「全身入れ墨ポスター」に抱いた嫌悪感の正体が話題だ。『ラブ上等』とのコラボも「見た目の説得力」が一瞬で牙をむいた。見た目戦略研究家で桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授の宮本文幸氏が分析する。

「注意」獲得の関門は突破、しかし…

更生保護のように関心を集めにくいテーマであればなおさら、強い視覚的インパクトに頼りたくなる誘惑は大きい。実際、今回の起用は、これだけの反響を見ると、「注意」の獲得という最初の関門だけは、確かに突破していたことになる。

その「注意」を引く手法にも法則がある。一見関係のなさそうな2つの概念を掛け合わせると、そこに生まれる違和感が「なぜこの組み合わせなのか」という興味を喚起する。

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「効果的な1文」が欠けていた

ただし2つの概念の乖離が大きすぎると、興味喚起どころか単なる拒否感だけが残る。

筆者が資生堂在籍時代に手がけたデオドラント「Ag+」でも、「銀イオン」と「消臭」という異なる概念の掛け合わせでこの効果を狙ったが、この2つを一瞬で結びつけていたのが「におい菌を銀が殺菌(消臭)」というキャッチコピーだった。

今回のポスターの「更生上等!!」は、この機能が十分ではなかった。「更生保護」という公的な概念と「入れ墨・元不良」という逸脱的なビジュアルの乖離を埋める、効果的な1文が欠けていたのである。

多くの共感を集めた声

多くの共感を集めた《こういう番組が支持を受けているのが理解しがたい》という声は、まさにこの乖離の大きさへの反応だ。

例えば、「刻んだのは過去。誓うのは未来。」というような乖離を結びつける1文が添えられていたら、今回多くの人がしたような「誇示ではないか」という受け止められ方は、防げたかもしれない。

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