米フロリダ州で、死刑執行の現場を37年間にわたり記録し続けているフリーランス記者がいる。ジョン・コークさん(76)は、通算100件以上の執行に立ち会ってきた。その原動力は「死刑による死の責任を負うのは市民なのだ」との考え方にあるという。
28分間の記録
コークさんが2月、州刑務所で薬物注射による死刑執行に立ち会った際の取材メモには、「6時4分、200ミリグラムが投与される。動きはない。6時4分30秒、息が荒くなる。6時5分、体が震え出す。呼吸が少なく、遅くなる。6時6分、ほぼ動かない」と記されていた。全28分間に起きた出来事が、手のひらサイズのメモ帳に6枚にわたって、薄い鉛筆の文字で記録されている。
初めての立ち会い
1970年代に報道の世界に入り、主にラジオ記者として地域ニュースを伝えてきたコークさん。死刑に初めて立ち会ったのは1989年で、世界的に有名な連続殺人犯テッド・バンディ死刑囚に対する執行が全米の注目を浴び、取材を指示された。その後も、当時契約していた局からの依頼を受け、死刑執行の取材を続けた。
取材を始めたころ、執行は電気椅子によるものだった。



