7人が犠牲となった商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)の爆発事故で、イオンは同社側が一部の専門店従業員に、避難後の再入館を許可していたことを認めた。事故で家族を失った遺族らは悔しさを抱えながら、再発防止やさらなる真相解明を求めた。
再入館の経緯と謝罪
再入館の経緯が公表された11日、遺族らのもとには、施設を運営する「イオンモール」の大野恵司社長らが訪れ、経緯の報告と謝罪を行った。
爆発に巻き込まれた大竹玖瑠美さん(22)が勤務していた2階の雑貨店では、地震後、運営会社の幹部が売上金を金庫に戻すよう店長に指示していた。同社は「イオンが『戻っていい』と言わない限りは(館内に)入ってはいけないと伝えた」としている。
遺族の思い
大竹さんの親族の男性(51)は、イオン側から「全て会社の責任です」と謝罪を受けたといい、「誠意は見えた」と冷静に受け止めた。「イオンだけではなく、全国の商業施設で同じような犠牲者が出ないようにしてほしい」と語った。
2階のアパレル店で勤務していた妻(30歳代)が犠牲となった男性は「館内に戻ることを(イオンの社員が)止めてくれれば妻は死ななかった」と悔しさを吐露した。「何をもって安全と判断したのか。まだ納得のできる説明とは言えない」とし、「どんな事情があっても戻らせないように徹底してほしい」と訴えた。
検証への期待
一方、今後の検証に期待する声も上がった。当時、2階で営業していた雑貨店店長の男性は、館外に出た後、イオン側のスタッフとみられる人が「貴重品がある人は(館内に)取りに帰ってください」と促す声を聞いた。20人ほどが館内に戻ったという。
男性は当初、こうした事情と食い違う認識を示すイオン側に疑問を持っていたが、今回の発表を受けて「事実を隠さず、正しく調べた結果だと思う。検証に向けて前向きに受け止めている」と話した。
献花台を訪れる人々
爆発事故が起きた施設前に設けられた献花台には12日も多くの人が訪れ、花束や飲み物などを供えて犠牲者を悼んだ。熊本市東区の男性(60歳代)はイオン側が一部で再入館を許可していたことについて、「こんなことが起きるなんて誰も考えられなかったと思う。混乱の中で懇願されたら断れないのではないか」と話していた。



