日本郵便が不祥事を巡り朝日新聞の取材を受けた際、総務省が日本郵便の回答内容を事前に把握し、内容を絞る協議をしていた可能性があることがわかった。省内のオンラインチャットで回答案が共有され、「答えすぎだ」などと投稿されていた。同社は最終的に無回答となった。
取材の経緯と焦点
取材は、監督官庁である総務省が日本郵便を適切に指導していたかを尋ねるもので、総務省は日本郵便の対外的な説明内容を限定させ、指導は適切だったと装った疑いが浮上した。総務省は情報公開法を所管するが、日本郵便の不祥事に関する情報公開請求への対応を恣意的に遅らせた疑いが判明している。
朝日新聞は2025年9月、日本郵便が郵便物を捨てたり放置したりした「放棄・隠匿」事案の一部を公表していないと報じた。総務省はその約1年3カ月前に改善を求めていたが、日本郵便は報道まで非公表を続けており、この間の総務省の指導・監督が焦点となった。
チャットでのやりとり
朝日新聞は日本郵便に9月22日、質問状を送付。総務省が1年3カ月の間、日本郵便から改善状況の報告を受けたり、同社に指示したりしていたかを尋ねた。回答期限は25日とした。
朝日新聞は今回、総務省郵政行政部の幹部らの名前が並ぶ「Teams」のグループチャットの内容を独自に確認。朝日新聞向けに日本郵便が作成した回答案が2日後の9月24日夕に共有され、「朝日新聞への日本郵便の回答案が来ました。ちょっと答えすぎだと思います」と投稿されていた。回答案では、日本郵便が総務省に、「総務省からの指摘事項に対する取り組み状況」について、「報告している」と記されていた。
最終的に無回答に
翌25日朝には回答の修正版が共有され、総務省への報告に関する記述がなくなっていた。これに対し、「朝日への回答、かなりましにはなりました」と投稿されていた。
日本郵便は25日夜、朝日新聞に回答を送付。「総務省と弊社とのやりとりにつきましては、回答を控える」と記されていた。総務省チャットでの指摘後、日本郵便は無回答となった流れだ。



