1947年に公布された皇室典範の御署名原本の取材・撮影が、国立公文書館(東京都千代田区)で認められた。10月24日に施行される改正皇室典範は、1947年の施行後初の本格的な改正となる。歴史的に貴重な公文書であることから、保存や扱い方に工夫が見て取れた。
素手で扱う理由
8月下旬、皇居にも近い国立公文書館の一室。撮影の準備を整えると、緩衝材に包まれた白い封筒を、広報担当の桜井英里さんが台の上にそっと置いた。手袋をはめると、指先が……
皇室典範の原本など貴重な文書については、職員以外は触れることができない。素手で封筒を開ける桜井さんに「白手袋のようなものはつけないのですか」と尋ねると、「実は素手で触るのが、資料にとって一番いいとされているんです」と返ってきた。
手袋がもたらすリスク
古く劣化した紙の資料などは、もろく破れやすい。手袋をはめると指先の感覚が鈍くなり、力の加減を誤ってしまって、かえって資料を破損してしまう恐れがあるという。桜井さんは「資料に触れる前には、手をせっけんで丁寧に洗うよう徹底しています」と話す。
封筒の中には、白色の薄い中性紙に包まれた皇室典範の原本があった。金具でまとめたB5判ほどの冊子で、1枚の紙のカバーをめくると、施行から約80年の年月を感じるセピア色の風合いの公布書が現れた。公布書には昭和天皇の直筆で「裕仁」と署名され、印が押されている。



