核ごみ文献調査、常陸大宮市議3人が賛否表明 賛成1人・反対2人
核ごみ文献調査、常陸大宮市議3人が賛否表明

原子力発電所から生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定を巡り、国から文献調査の申し入れを受けた常陸大宮市で8日、市議会定例会の一般質問が行われた。質問の事前通告の締め切り後に申し入れが表面化したため、関連する質問はなかったが、議員3人が市議会の公開の場で初めて賛否の意見を明らかにした。

賛成1人、反対2人の意見

この日、一般質問に立った議員は5人。このうち、益子侑也議員(無所属)は、東京電力福島第一原子力発電所事故の処理に伴って生じた除染土のうち放射能濃度が低い「復興再生土」の活用についての質問に関連して、文献調査に言及し、「高レベル放射性廃棄物の最終処分は、復興再生土の利用と同様に原子力の恩恵を受けてきた社会全体、国家としての課題。大局的な視点に立って今回の申し入れについて賛成の立場だ」と述べた。

一方、市が特産品をブランド化する事業などについて聞いた倉田稔之議員(無所属)は「文献調査が、市が進めているあらゆる施策、企画に暗い影を落として動きを止めてしまう。強く反対する」と語った。小室貞夫議員(共産)は「常陸大宮市に限らず、地震が多発する日本で安定的に核のごみを処分できる場所はない。最終処分の入り口である文献調査の受け入れを拒否するよう要望する」とした。

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市長の意向と今後の日程

鈴木定幸市長はこれまで、文献調査について「前向きに検討したい」と表明。市議会の同意を得た上で早ければ18日までの定例会会期中に結論を出す意向を示している。市議会は9日、市長も出席する議員協議会を開き、各議員が意見を出し合う予定だ。秋山信夫議長は「議員の意見を羅列してそのまま市長に提出する。判断は市長にしてもらう」と、賛否のとりまとめは行わない方針を示している。

NUMO説明会の内容を公表

原子力発電環境整備機構(NUMO)は、4日に常陸大宮市議を対象に開いた説明会の概要をホームページで公表した。説明会は非公開で行われており、NUMOは「市民にも見てほしい」としている。説明会動画(約1時間)と経済産業省、NUMOが示した資料、質疑応答をまとめた文書を公開している。

質疑応答の主な内容は以下の通り。

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  • 数万年という長期間の安全性について「地層処分は、地下深部に埋設した後に坑道を埋め戻し、周囲の地層と一体化させ、人工バリアと地下の安定岩盤によって放射性物質を閉じ込める仕組みだ。地下水の動きや地質変化など様々なケースを想定した解析を繰り返し、人や環境への影響を評価している」
  • 風評被害への対応について「文献調査は放射性廃棄物を持ち込むものではなく、処分場建設を決定したわけでもないことを、丁寧に発信する。地域産業へ影響が懸念される場合、地域の産品や事業を支える取り組みも検討する」
  • 輸送道路について「現時点で輸送方法や輸送ルートの検討は行っていない。一般に、非常に重量があり、速度も制限されるため、既存道路だけでは対応できず、道路の改良や橋の補強などが必要になる可能性がある」
  • 文献調査申し入れ理由にある「未利用地」について「現時点で住居などの形で利用されていない、開発可能性があるエリアを考慮したもので、特定の場所を指しているものではない」
  • 交付金の返還について「概要調査へ進まない場合でも、交付金返還を求めることはない」