世界記憶遺産の山本作兵衛の孫、飯塚市に図書29冊寄贈「祖父の生きた時代を」
山本作兵衛の孫が飯塚市に図書29冊寄贈

福岡県飯塚市出身の絵師・山本作兵衛(1892~1984年)の孫で、同市在住の緒方恵美さん(65)が、作品を収録した図書「筑豊炭坑絵巻 新装改訂版」(海鳥社)29冊を市に寄贈した。市内の小中学校向けで、「祖父の生きた時代が全て含まれている。当時の空気になじんでほしい」と呼びかけている。

寄贈の背景と図書の内容

本書は2011年に出版された。彩色画120点、墨画72点のほか、筑豊の方言や坑内で使われた言葉、作兵衛自身による年譜などが収録されている。労働風景のほか、人々の暮らしぶりや地域の祭りなどの様子が、文章とともに絵で伝わる内容になっている。

緒方さんは現在、作品の著作権を管理する「作兵衛(作たん)事務所」の代表。今年に入って海鳥社から在庫を買い取った後、子どもたちに当時のことを感じてほしいと、筑豊の市町に寄贈することにしたという。

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寄贈式で市長が感謝

3日、市役所で寄贈式が行われ、緒方さんは武井政一市長に本の内容について解説。「八木山」「上三緒」など、飯塚の地名が多く記されていることや、炭鉱労働者として筑豊地方を転々とした作兵衛の経歴などについて語った。武井市長は「地域の史実がたくさん書いてある。学校現場で歴史を知り、誇りを醸成できたらと思う」と感謝の言葉を述べた。

孫が語る作兵衛の記憶

緒方さんによると、作兵衛は寡黙で、常に絵を描いていた印象があるという。当時の状況などを書籍として残したいと考えていたとみられ、「(本書は)自分が生まれたところは『こういうところだ』と正しく伝えた内容。当時の飯塚のことが書かれている財産だと思う」と話していた。

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