クレジットカード決済代行会社「全東信」(大阪市中央区)の破産手続き開始決定を受け、政府は影響を受ける飲食店など中小事業者への資金繰り支援に本格的に乗り出した。日本政策金融公庫による貸し付けの要件を10日から一部緩和したほか、連鎖倒産を防ぐための融資保証枠を適用する手続きを開始した。
日本公庫がセーフティネット貸付の要件緩和
全東信の破産により、取引先の飲食店などはクレジットカード決済の売上金を回収できなくなる懸念が生じている。日本政策金融公庫は、一時的に業況が悪化した中小・小規模事業者向けの「セーフティネット貸付」を活用し、融資の要件を緩和。資金繰りに支障がある場合も対象に広げる措置を取った。また、公庫の各支店や信用保証協会など全国378か所に特別相談窓口を設置し、事業者からの相談に対応する体制を整えた。
セーフティネット保証1号で最大2.8億円の融資保証
経済産業省は中小企業の連鎖倒産を防ぐための「セーフティネット保証1号」の適用に向けた手続きを開始した。これにより、信用保証協会から追加で最大2億8000万円の融資保証を受けられるようになり、資金繰りを支える狙いがある。赤沢経産相は10日の閣議後記者会見で、「影響を受けうる中小企業や小規模事業者に、資金繰りへの影響緩和といった対策を講じていくことが極めて重要だ」と述べ、政府として迅速に対応する姿勢を示した。
金融システムへの影響は限定的と認識
一方、片山金融相は10日の記者会見で、全東信の破産手続き開始決定に関し、「セーフティーネット対応は万全にしており、金融システムに影響を及ぼすことにはならないと認識している」と述べた。全東信は全国の地方銀行や信用組合などから総額1100億円超を借り入れていたが、金融相は金融システムへの影響はないとの見方を示した。片山氏は金融機関に対するモニタリング(監視)について「強化し、ちゃんとやっていくことをすでに指示した」と説明。金融庁は貸し手の金融機関に対し、財務への影響などについて聞き取りを行う方針だ。



