福岡地裁(能登謙太郎裁判長)は29日、ハンセン病元患者の事実上の親子関係にあった人らが国に補償を求めた裁判で、原告らは「家族」にあたらないとして請求を退けた。国の隔離政策で差別を受けた元患者の家族への補償をめぐる判断が示された。
原告の訴えと判決の内容
原告は、元患者と事実上の親子関係にあったとする沖縄県の80代男性(昨年11月に死亡し、遺族が承継)と、養子縁組で元患者の「孫」となった熊本県の70代男性ら6人。当初別々に提訴されたが、二つの訴訟を併合して審理されてきた。
家族補償法は、偏見や差別による精神的苦痛への慰謝として、元患者の親や子、配偶者に180万円、きょうだいらに130万円の補償金を支払うと定める。らい予防法が廃止された1996年3月末までに家族関係にあったことなどが要件で、養子縁組の人や事実婚でも対象となる。判決は元患者と同居していたかどうかなどについても判断した。
判決の影響
今回の判決は、事実上の親子関係にある人や養子縁組で孫となった人が家族補償の対象外とされたことで、今後の同種訴訟に影響を与える可能性がある。原告側は控訴するかどうか検討する見通し。



