「越前がに」の地理的表示(GI)保護制度に違反する表示があった問題を受け、福井県は16日、適正表示に関する研修会を開いた。行政職員や漁業者、観光業者ら約100人(オンラインを含む)が参加し、制度への理解を深めた。
制度違反の返礼品が発端
農林水産省が9月、越前町に措置命令を出していた問題で、「越前産水がに」や「越前紅ずわいがに」などと表記した返礼品が確認され、不正表示と判断された。GI保護制度では、県内で水揚げされ、大きさなどの条件を満たしたズワイガニを「越前がに」とし、脱皮後で甲羅が柔らかい「水がに」と明確に区別している。
研修会で制度を解説
研修会の冒頭、農林水産省知的財産課の広田美香課長が「不正使用が行われれば消費者の信頼が失われ、ブランドの毀損につながる。制度の理解を深めていただきたい」とあいさつした。その後は非公開で制度の解説が行われた。
農水省知的財産課の担当者は「『越前』は旧国名の表記で、越前がにに類似する。越前がにの(ブランドへの)フリーライド(ただ乗り)になりかねない」と判断理由を説明した。一方、「越前町産」「越前漁港」など、実在する自治体名や水揚げ漁港名を表示する場合は、不正表示に該当しないという。
参加者の反応
研修会に参加した福井市内で越前がにを販売する会社役員の男性(50)は「表示について不安があったが、説明を聞いて良かった。誤解を招かない形で越前がにを販売していきたい」と話した。漁業団体の60歳代の男性職員は「『越前紅ずわいがに』が不正表示にあたると説明を受けるまで分からなかった。研修を受けて納得できた」と話した。
県は来月の漁解禁を前に、制度を周知し、ブランドの維持につなげたい考えだ。