元検事・田中嘉寿子弁護士が問う、司法の性暴力理解不足の実態
元検事が問う司法の性暴力理解不足の実態

性暴力事件をめぐる捜査や裁判のあり方に批判が集まる中、元検事で弁護士の田中嘉寿子氏が、司法の性暴力への理解不足を指摘した。田中氏は今年8月に「性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック 第2版」を出版している。

性暴力が「歴史的に軽視されてきた」理由

田中氏は1991年に検察官になった。2017年の刑法改正で強姦罪から強制性交罪に変わるまでは、刑法の教科書での記述も簡素で、司法試験に出題されることもなく、ジェンダー法学者以外に研究対象とされることも少なかったという。

「歴史的に軽視されてきたという印象があります」と田中氏は語る。

性暴力捜査の現場で直面した課題

田中氏が性暴力を集中的に担当するようになったのは、2005年に仙台地検に赴任してからだ。被害者の多くが女性である性暴力は、女性が担当したほうがいいだろうという観点から、年間50~60件を担当した。

しかし、被害者からどう話を聞くのか、どう裏付けをとるのかについて検察内の知見は乏しく、周囲に経験の多い先輩もいなかったという。

子どもへの性虐待事件への向き合い方

神戸地検に異動すると性虐待を担当することが増えた。中でも実父から性虐待を受けた子の事件は今も忘れられないと語る。