福岡県議会の金銭授受疑惑を巡り、民主系会派で活動していた元県議の新村雅彦氏(74)が23日、県庁で記者会見を開き、2012年の副議長就任直前に蔵内勇夫前議長(議員辞職)に現金500万円を手渡したと証言した。一方、蔵内氏は同日、「議会人事に関して金銭の授受を行ったことは一切ない」とのコメントを出した。
実名証言の内容
新村氏は、当時所属した民主系会派会長の吉村敏男元県議(77)から副議長就任を打診され、吉村氏の指示で2011年12月25~28日に沖縄県で開かれた自民と他会派の幹部らによるゴルフ会「マスターズ」の宿泊代を含む費用約100万円を負担したと説明。さらに、吉村氏から「蔵内氏に500万円を用意しろ」と告げられ、2012年4月9日に福岡市の料亭で茶封筒に入れた現金500万円を蔵内氏に手渡したという。この日は自民と所属会派の幹部らによる会食が開かれ、食事代10万円超も支払ったと述べた。
新村氏は、2008年5月~2009年5月に副議長を務めた吉村氏から就任に際し「700万、800万円使った」と聞かされていたと主張。副議長ポストを得るには金銭の支払いが必要だとの認識を持ち、吉村氏に従ったと釈明した。支払った600万円超は議員活動で支給される手当などをためて賄ったとした。
背景と証言の理由
新村氏によると、マスターズは定期的に開かれ、自身の手帳で確認できるだけで2005年3月以降に10回参加し、2011年12月のゴルフ会以外は費用を負担したことはないという。のちに正副議長に就任した議員の姿もあったといい、「(正副議長)予備軍というか、そういう方々が持ち回りで(費用を)負担されていたのではないか」と話した。
新村氏は7月に読売新聞の取材で匿名を条件に金銭の支払いを打ち明けていたが、実名での証言に踏み切った理由について、「蔵内氏が記者会見をするという情報が入ったため、先に会見で話した方がいいと思った」と説明。金銭の受け取りを否定している蔵内氏について、「うそをついている。事実は事実としてちゃんと話してほしい」と求めた。自身が金銭を支払ったことに関しては、「議員辞職に値する。あしき文化は絶対になくさなければいけない」とした。疑惑を調べる第三者委員会の聞き取りに応じており、「今日の内容は全て話した」と述べた。
関係者の反応
新村氏の証言を受け、蔵内氏は「事実に反し、名誉を毀損する発言。会見内容を精査し、関係者とも協議し、必要となれば断固として法的措置を講じる。反論や説明は第三者委員会に行い、公平に判断いただく必要がある」とのコメントを発表した。
吉村氏は読売新聞の取材に応じ、蔵内氏への支払いの指示について「言った覚えはない」と否定。新村氏の主張に関しては、「事実無根。(新村氏を)名誉毀損で訴え、民事(訴訟)で決着をつける」と述べた。