東京地検特捜部は10日、ブランド品買い取り会社「STAYGOLD」(東京)の元代表取締役の男(42)を所得税法違反容疑で逮捕した。同容疑者は、自身が保有していた同社株の売却で得た所得約52億5500万円を隠し、所得税約7億8400万円を免れたとされる。この脱税額は所得税の脱税事件としては過去最大規模とみられ、捜査当局はその手口の解明を進めている。
匿名組合を悪用した巧妙な所得隠し
特捜部の発表によると、男は2014年のSTAYGOLD創業に関与し、2016年から2022年まで代表取締役を務めていた。その間、大量の自社株を保有していたという。逮捕容疑は2022~2023年分の所得税に関するもの。男は、保有するSTAYGOLD株を売却する際、知人の会社が匿名組合の事業として行ったように装うなど、巧妙な方法で所得を隠蔽した疑いが持たれている。
関係者によると、男はまず自身の株式を知人の会社に譲渡。その後、その知人の会社が匿名組合として株式を売却する過程で多額の利益を得ていた。特捜部は、株式売却益は最終的に男に帰属しており、一連の取引は実質的に所得を隠すための仕組みだったと分析している。
STAYGOLDの急成長と多角的な事業展開
民間調査会社のデータによると、STAYGOLDはブランド品の買い取り・販売事業で急成長を遂げ、2025年2月期の売上高は約348億円に達した。同社は高級ブランド品の買い取りを中心に業容を拡大してきた。逮捕された元代表はSTAYGOLD以外にも、飲食や介護など複数の会社の代表を務めており、幅広い事業に関与していたことが明らかになっている。
東京地検特捜部は、今後、脱税の詳細な資金の流れや、共犯者の有無などについても捜査を進める方針。所得税法違反の罪に問われるこの事件は、高額所得者による租税回避の実態を浮き彫りにしている。



