元Facebookグローバル公共政策部門ディレクターのサラ・ウィン-ウィリアムズ氏が、同社の韓国における違法行為と、その責任を部下に押し付ける内部会議の実態を暴露した。同氏の著書『ケアレス・ピープル 権力と欲望、失われた理想の物語 Metaが”読まれたくなかった”真実』(すばる舎)によると、2025年8月、韓国出発前に招集された危機対策会議で、経営陣が「逮捕される係」を決める場面があったという。
現地法を無視した経営判断
会議では、Facebookの韓国における事業が現地のサイバー犯罪警察の捜査対象となり、マーク・ザッカーバーグCEOやシェリル・サンドバーグCOOら幹部に逮捕状が出される可能性が議論された。Facebookの弁護士から送られたメールには「刑務所収監と刑事責任の脅威はきわめて現実的」と記されていた。ウィン-ウィリアムズ氏は、韓国警察への協力や法令遵守の姿勢見直しを提案したが、経営陣は「全世界共通で適用するのか」と反発し、却下された。
「逮捕される係」の選定
会議でエリオット・シャープ氏(仮名)は「逮捕される係が必要だ。はったりを見抜くためだ」と発言。経営陣はこれを「リスク緩和策」と呼び、社員の一人を韓国当局に差し出すことを軽々しく決めた。ウィン-ウィリアムズ氏は「社員の誰かを牢獄に送ってしまえという話だ。それを経営陣がこれほど軽々しく口にするとは」と衝撃を受けた。
捨て駒にされた下っ端
会議室の全員が地位が高すぎて「捨て駒」にできない中、最も地位の低かったウィン-ウィリアムズ氏に視線が集中。エリオット氏がうなずき、同氏が「逮捕要員」に選ばれた。同氏は「とんでもない人違いが起きたかのように言った」と振り返る。会議は静まり返り、最先端のテック業界に「捨て駒」の発想が存在することへの驚きが広がった。
背景と影響
この暴露は、Facebook(現Meta)が世界中で法律違反を繰り返し、その責任を現地社員に押し付ける体質を浮き彫りにした。ウィン-ウィリアムズ氏は、同社が韓国だけでなく全世界で法令遵守を怠っていると指摘。この問題は、テクノロジー企業のグローバル展開における倫理的課題を改めて提起している。



