沖縄県名護市辺野古沖で小型船が転覆し、研修旅行中の同志社国際高校(京都府)の女子生徒と船長が死亡した事故で、同校は30日夜、保護者説明会を開いた。出席者によると、31日付での解任が決まった西田喜久夫校長が安全管理ができていなかったと謝罪。同校側は今年度の沖縄研修旅行を中止すると説明した。
事故の経緯と被害
事故は3月16日に発生。米軍基地の埋め立て現場を見学するため、同校の生徒18人が分乗した小型船2隻が転覆し、武石知華さん(当時17)と船長1人が死亡、生徒と乗組員の計14人が重軽傷を負った。
説明会で同校側は今後、危機管理や安全管理のマニュアルを充実させると説明した。
遺族の告訴と学校側の対応
武石さんの遺族は校長や学年主任、引率した教員らを業務上過失致死傷容疑などで海上保安庁に告訴。海保は7月25日に同校を家宅捜索した。説明会の出席者によると、同校側は告訴された教員の配置を換えると説明した。
同校を運営する学校法人同志社の八田英二理事長は、8月21日の臨時理事会で引責辞任の意向を示している。西田校長の後任には、同志社大学の副学長が就任する。
保護者からは厳しい声
出席者によると、保護者からは「子どものメンタルをもっと学校が積極的にサポートして欲しい」「きちんとそれぞれの先生が生徒に謝って欲しい」との要望が出た。保護者の一人は朝日新聞の取材に対し、事故対応を「もっとスピード感をもってやってほしいし、遺族が納得する形で終結させてほしい」と話した。別の保護者は、法人や高校の一連の対応について「納得していません。今回の説明会もガス抜きのように感じた」と話した。
第三者委員会の報告書と今後の対策
学校法人同志社は、事故後に設置した第三者委員会の調査報告書を7月31日に公表。報告書は同校について、現地の下見をせずに引率教員も同乗しなかったと指摘し、安全管理体制の不備やリスク管理体制の機能不全、安全管理に関する意識の欠如などを原因として挙げ、監督責任のある法人の安全配慮義務違反を認定した。
法人の関係者によると、系列校の安全管理に関わる活動を統括する「安全管理室(仮称)」を9月1日付で法人内に設置し、これまで各学校の判断に委ねていた安全管理体制を抜本的に見直す。また、辺野古での学習内容が「教育の政治的中立性」を保っていたかなどを検証する検討委員会を設置することも決めている。



