宅配の需要が伸び続ける中、宅配業務に従事する人々へのカスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。厚生労働省が宅配業界で働く人を対象に実施した初の実態調査では、4割超がカスハラを経験したと回答し、業界を問わない調査より大幅に高かった。手厚い宅配サービスが逆にカスハラを招いているとの指摘もあり、毅然とした対応を取る企業も出ている。
委託業者の男性が明かす実態
大手宅配業者の委託で関東地方の宅配業務を行う40歳代男性は「客から暴言を浴びるなどのカスハラを何度か経験したが、業務の委託を受けている立場なので被害を訴えにくい」と打ち明ける。
細かい時刻を指定して再配達を求める客が少なくなく、その度に断っているが、「使えない」「アホ」と罵倒されることもある。午前中指定の客宅へ11時過ぎに届けた際には「もっと早くできないのか。午前中ギリギリで届けるなんて失礼だ」と迫られたこともあったという。
業界全体より高い被害率
厚労省の調査では、宅配業界の4割超がカスハラを経験しており、これは全業種を対象とした調査結果を大きく上回る。背景には、時間指定や再配達など消費者に手厚いサービスが当たり前となっていることがあり、それがカスハラを助長する一因との指摘がある。
こうした状況に対し、ヤマト運輸では営業所内にカスハラ防止を呼びかけるポスターを掲示するなど、企業側も対策を進めている。



