大阪府河内長野市の路上で8月、60歳の男が拳銃で撃たれて死亡した。発砲したのは府警河内長野署地域課の30代の男性巡査部長で、包丁を持っていた男が警告や威嚇射撃に応じず近づいてきたためだ。警察官の拳銃使用はたびたび議論になっており、より致死性の低いスタンガンの一種「テーザー銃」など、新たな装備を導入する案も挙がっている。
拳銃使用は「適正だった」と判断
「男は、拳銃を使用しなければ刺されると思うくらいの距離にきた」。拳銃の使用は「適正だった」という調査結果を発表した際、府警の担当者はそう説明した。男の体から覚醒剤の反応も見つかったとも明らかにした。
地域警察官とは、いわゆる「交番のお巡りさん」らを指す。街頭警戒のほか、110番通報があればいち早く現場へ駆けつけ、パトロール中に不審者を見つければ職務質問する。その職務は危険と隣り合わせだ。
地域警察官の検挙実態と襲撃事件
警察白書によると、2025年に地域警察官が検挙した刑法犯は11万9695人で、検挙人数全体の約6割を占めた。現場では、相手の素性や所持品が分からないまま接触しなければならないことも多い。
23年には長野県中野市で、通報で駆けつけた警察官2人と住民2人が猟銃や刃物で襲われ、死亡する事件があった。大阪市此花区の集合住宅では25年、殺人未遂事件の現場に臨場した警察官が室内にいた男に突然、顔を殴られた。
交番が襲撃される事件も起きている。富山市の交番で18年、元自衛官の男に警察官が刺され死亡。奪われた拳銃で近くの小学校の警備員が撃たれ、死亡した。19年には大阪府吹田市の交番前で巡査が包丁で刺され、拳銃を奪われた。
新たな装備導入の専門家の見方
府警地域総務課によると、地域警察官の危険は「対等ではない」という。記事後半では、新たな装備の導入について、警察行政に詳しい専門家の見方を紹介する。