「まんじゅうや」票無効判決、木内市長が上告示唆 失職まで市長在職可能
「まんじゅうや」票無効判決、木内市長が上告示唆

茨城県神栖市長選で「まんじゅうや」「だんごさん」の2票が無効とされ、県選挙管理委員会の裁決で当選を認められなかった木内敏之市長(65)が、裁決取り消しを求めた訴訟の判決が3日、東京高裁であった。佐藤哲治裁判長は「2票は誰のことを記載したのか確認しがたいもので、無効だ」と述べ、請求を棄却した。

「木内製菓が独占状態と認められない」

木内氏側は訴訟で、親族が市内でまんじゅうやだんごを扱う老舗の和菓子製造会社「木内製菓」を営み、無効とされた2票は自らへの投票だと訴えていた。

判決は、木内製菓や木内家の人が一定の範囲で「まんじゅう」などの愛称で呼ばれていると認めつつ、市内に同様の商品を扱う和菓子屋が少なくとも9軒あり、「木内製菓が独占状態にあると認められない」と指摘。「まんじゅう」などが本名に代わる呼称として慣習的に使われているとは言えないと結論付けた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

市長選の経緯と法的な扱い

市長選では、木内氏と市長だった石田進氏(68)の得票が同数となり、くじ引きで木内氏が当選。ところが、票を再点検した県選管が今年4月、木内氏の有効票のうち「まんじゅうや」「だんごさん」の2票を無効とし、木内氏の当選を認めない裁決をした。

公職選挙法は、選挙結果の有効性を争う裁判は迅速に審理を進め、100日以内に判決を言い渡すよう努めなければならないと規定。公選法に基づき提訴した木内氏は、判決が確定するまで市長を続けられる。

木内市長は上告の考え示唆

木内市長は、2週間以内に最高裁に上告しなければ、判決が確定して失職し、前市長の石田進氏が新たに当選者として選ばれる。ただ、地方自治法によると、失職するまでの期間は市長とされる。失職したとしても、在職時に押した決裁印などは有効だ。

市によると、失職しても木内氏には退職金が支払われ、すでに受け取った給与を返還する義務もない。

一方で、石田氏が返り咲けば、木内氏が転換を目指した政策が石田市政時代の方針に戻る可能性があり、神栖市で飲食店を経営する女性(72)は「まさか、こんなことになるとは思わなかった。市政が不安定になりそうで心配だ」と話した。

判決後、同市役所で記者会見した木内氏は「主張が全く通らなかったことは大変残念」と述べた。今後については「市長としての職務を最後までやっていくのが使命だと思う。もう一度、チャンスがあるので、弁護士と相談しながら戦っていきたい」と上告する考えを示唆した。

同市内で報道陣の取材に応じた石田氏は「高裁も県選管と同じ判断になり、順当な結果だ」と述べ、「(木内氏が)上告するなら、市民の皆さんの我慢が限界だと思う。普通はあり得ない」と強調した。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ