大規模災害時の子育て職員支援、都内の現状と課題を探る
大規模災害時の子育て職員支援、都内の現状と課題

9月1日は防災の日。能登半島地震や熊本地震などの大規模災害時に、被災した保育園や学校が休園・休校し、子育て中の親が仕事を続けられないケースが起きている。特に発災直後の対応を迫られる自治体や医療機関で、子育て中の職員はいざというときに働けるのか。東京都内の現状と課題を探った。

自衛隊中央病院、職員830人が使える託児所計画

自衛隊中央病院(世田谷区、500床)では、首都直下地震など大規模災害が起きた場合、施設職員約830人が利用できる託児所を病院内に設置する計画がある。託児所の対象年齢は絞らず、職員の子どもであれば状況に応じて誰でも使えるという。

1956年に開院、93年からは、自衛隊関係者だけでなく一般の人も利用できるようになった。2016年には、24時間態勢で重症患者らを受け入れる都の「二次救急医療機関」に指定。大規模災害時に重傷者を首都圏外の病院へ搬送する大型ヘリコプターのヘリポートもあり、空輸の対応も担う。

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都立病院、参集不可は認めるが支援制度はなし

病院によると、在籍する看護師約400人のうち4割ほどが小中学生の子育て中という。広報担当者は「災害時は、まず職員とその家族の安全を確かめる」とした上で、「災害対応にあたる職員も被災者になる。安全に対応できるように万全を期している」と話す。

一方、都内に14カ所ある都立病院ではBCP(事業継続計画)で震度6弱以上で全職員が自主参集と定めるが、子育て中の職員に関する記載はない。都立病院機構によると、職員向けにつくられた災害時の対応手順では、小学校低学年以下の子どもがいる職員などについて「事情により参集不可を認める」と記載されているが、子育て中の職員に対する支援制度はないという。

都は23年11月に改定された最新の都政BCPで、勤務時間外に都内で震度6弱以上の地震が発生した場合に全職員が緊急参集すると定める。一方で、同居の乳幼児を預けることが困難な場合は自宅待機とする方針だ。担当者は「例えば保育園が再開したり、親類縁者に預けられるようになったりして、状況が解消すれば参集する想定」という。子育て中の職員が勤務を継続するための支援策はなく「通常の業務と同様に互いに支え合い、柔軟に対応していく」と話す。

共働き世帯66.7%、子育てを任せられる親族は限られる

都の「都民の就業構造」によると、22年の都内の有業者数(パート・アルバイトを含む)は829.7万人。そのうち未就学児を育てているのは102.9万人で12.4%だった。同年度に行われた調査「東京の子供と家庭」によると、小学生までの子どもを育てる両親世帯のうち、共働き世帯は66.7%で5年前から5.2ポイント上昇。世帯状況は「親と子」が9割超の一方、「祖父母と親と子」は6.1%にとどまる。

基礎自治体が抱える事情「区内在住職員は4分の1」 子育てを任せられる親族らが…この記事は有料記事です。残り1287文字

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