高知県香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムが7月21日、開館30年を迎えた。入館者数は昨年度、最多の27万7176人と初めて25万人を超え、今年3月には累計で500万人を突破した。式典には多くの親子連れが訪れ、やなせたかしさんの思い「よろこばせごっこ」のひとときを楽しんだ。
式典とトークショー
式典ではアンパンマンとばいきんまんが登場し、地元の美良布保育園の園児らが合唱したほか、夏空に風船を放って祝った。午後には、ばいきんまんの声を担当する中尾隆聖さんと、1980年代にいずみたくさんのミュージカル「とべ!アンパンマン」でばいきんまん役を演じた本間識章さんによるトークがあり、100人以上が聞き入った。
本間さんは「ばいきんまんは(当時)誰も好きじゃない。舞台で声援を送ってくれたのは2歳のおいっ子だけだった」と笑わせ、「親子が『楽しかったね』と、笑顔で帰っていただけるよう心がけていた。品を大切にされたやなせさんは、今も私の中で生き続けている」と振り返った。
中尾さんは、つぶれた声で演じた理由について「アンパンマンの放送と同じ時間帯に幼児向け番組のキャラクターの声役。同じ声では演じるわけにはいかなかった」と明かし、「人生はよろこばせ劇場と肝に銘じています」と語った。
サプライズ紙芝居
対談後、2人はサプライズで紙芝居を披露。中尾さんがおなじみの声を響かせると、にぎやかだった幼児たちをいっぺんに紙芝居の世界に引き込んだ。本間さんは「やりにくいなあ」と苦笑しつつ、舞台俳優らしい渋く、よく通る声でアンパンマンやおむすびまんを演じていた。
やなせさんを「心の恩師」と呼ぶ、香美市の元地域おこし協力隊員小関みどりさん(51)は「鉄道もないこの地域に500万人が訪れた。やなせさんのふるさとへの恩返しは今も続いているんだなと感じる」と話していた。



