90分ひたすら石磨く「超、磨く。」 大阪で開催、予約即満員
90分ひたすら石磨く「超、磨く。」 大阪で開催、予約即満員

5連休の初日となった19日、大阪市北区の商業施設・ルクア大阪で、90分間ただ石を磨き続けるイベント「超、磨く。」が開かれた。地味で見返りがないにもかかわらず、45人の予約枠は募集開始後すぐに埋まった。キャンセル待ちは1000人を超えたという。

「無駄な時間」を全力で楽しむ

会場では、参加者が紙やすりを手に握り拳サイズの石の表面を黙々と磨いた。7種類のやすりを使い分け、各自のペースで石と向き合う。開始から約30分が過ぎると、石が丸みを帯びたり表面が滑らかになったりと変化が現れ、「この子、丸くなってきたね」「すごい」といった声が上がった。

イベントは、ルクア大阪を運営するJR西日本SC開発のプロジェクト「ムダ満喫CLUB」が企画した。同社は2023年から「意味や成果、効率が強く求められる『ストレス社会』に生きる現代人に、何も考えず夢中になれる時間と場所を」とイベントを開催している。今年実施した泥団子作りイベントは「童心に返れそう」と話題になり、予約が埋まった後、1000人を超えるキャンセル待ちが出た。

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「無駄レベルは過去最高」

今回の「超、磨く。」は「懐かしさ」などの要素をあえて含めず、「いかに全力で『無駄な時間』を楽しんでもらえるか」を追求した企画だ。担当の三上尭さん(30)は「無駄レベルは過去最高。子どもの頃のように『ただ楽しい、面白い』といった感覚を思い出してほしい」と話す。同社では今後も同様の企画を予定している。

90分間の“作業”を終えた参加者からは、「最初は、こんなことが本当に面白いのかと疑問だったが、磨いているうちに普段の仕事の悩みなどを忘れ、没頭できた」「有意義な時間で、無駄は無駄じゃないんだと思えた」(兵庫県西宮市の男性会社員、25)といった感想が聞かれた。府内からの参加者(49)は「元々石が好きだったが、自分で選んだ石が少しずつきれいになっていくのを見て『育てている』ような感覚になって、どんどん愛着が増していった」と話した。

専門家は「平常心」取り戻す時間と分析

こうした時間の効果について、脳生理学が専門の有田秀穂・東邦大名誉教授は「『石を磨く』という動作は、一見すると単純に見えるが、手の動きと連動するように呼吸のリズムも整い、癒やし効果のある脳内物質セロトニンが活性化する」と指摘。「スマートフォンなどで常に頭を酷使している現代人には、シンプルだが頭も心も整って『平常心』になれる時間が必要とされているのではないか」と分析している。

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