第78回正倉院展が開幕、伝説のミイラ「虹龍」出展で雨も
第78回正倉院展が開幕、伝説のミイラ「虹龍」出展で雨も

奈良市の奈良国立博物館で24日、第78回正倉院展が開幕した。華やかな仏具や国際色豊かな宝物が並び、来館者は古代の精巧な技術に見入っている。

透かし彫りの仏具に感嘆の声

仏前に用いたとみられる容器「金銅花形合子」は、花の文様を表現した透かし彫りが特徴で、多くの人が熱心に鑑賞していた。兵庫県尼崎市の会社員(58)は「精密な細工が目を引いた。仏前に供えられたのを想像し、信仰の深さを感じた」と語った。

法要の場を飾り立てた金銅製ののぼり旗「金銅幡」に注目したのは、津市の大学3年生(21)。透かし彫りで鳥や草花の文様を表し、多数の鈴を付けるなど奈良時代の華やかな仏教美術を今に伝える宝物で、「1000年以上前の鈴の形が今と変わらないのに驚いた。当時の技術でどのようにして文様を施したのかも気になった」と興味を示していた。

唐製の鏡と伝説のミイラ

霊獣や葡萄の文様があしらわれた方形の鏡「鳥獣花背方鏡」は、中国・唐で作られたと推定されている。大阪府八尾市の病院事務員(66)は「鏡には丸いイメージがあるので珍しく、文様も細かかった。鏡のつまみ部分が伏した獅子の姿でかわいかった」と話した。

奈良市ではこの日の午前中、断続的に雨が降った。ニホンテンのミイラ「虹龍」は、宝庫を開く時に雨を降らせるという伝説がある異色の宝物で、大阪府阪南市の会社役員(59)は「ニホンテンのミイラが宝物として保存されてきたことに感心した。伝説通りに今日雨が降ったのも何かの縁でしょう」と話した。

夕方から割安「レイト割」も

第78回正倉院展では、夕方から割安で入場できる「レイト割」の日時指定券を販売している。事前予約の日時指定入場制を導入しており、レイト割は月~木曜の午後4時以降、金・土・日曜と祝日の午後5時以降の日時指定券に適用される。料金は一般1500円、高大生1000円、小中生無料で、通常より500円引きとなる。月~木曜は午後6時、金・土・日曜と祝日は午後8時まで開館している(入館は閉館1時間前まで)。